漢字要覧(明治41年5月〈国語調査委員会〉)
ちょっと調べることがあって、文化庁の国語施策情報システムのHPからダウンロードして置いたままにしてあった『国語施策沿革資料11:漢字字体資料集(諸案集成1)』の「1. 漢字要覧(明治41年5月〈国語調査委員会〉)」を読んでいて、漢字に関して特に系統立てて学んだ経験のない私には面白かったので紹介しておく*1。
本書は解説によれば「漢字について、その一般常識(同書の凡例によれば、専門の学者を対象としたものでなく、中等教育程度において必要な範囲)を知らせる目的で編纂されたものである」。
●その凡例部分(切り貼り)
目次は、
- 第一 漢字の創製及び構造
- 第二 漢字の変遷及び字体
- 第三 字音及び字訓
- 第四 熟字
- 第五 本邦仮借字
- 第六 本邦製作字
- 第七 本邦転用字
からなり、巻末に歴代変遷の字体を図示してある(旧字+片仮名書きを改めた、以下同)。
以下、内容の一部を紹介する。
●「第二 漢字の変遷及び字体」二二〜二四頁より(抜粋、切り貼り)
- この章では説文、干禄字書、康煕字典等で正字とされているモノを正体とし、古文・本字・省字・通用字等々を別体としている旨記されている。
- 赤く囲んだ上の部分は本来「麥」を「麦」に作った別体〈新字体〉が入るべきで、誤植だろう。正誤表が本書の冒頭にあるが記載なし。
●「同」二六、二八〜二九頁より(抜粋、切り貼り)
●「同」三二〜三四頁より(抜粋、切り貼り)
●「第五 本邦仮借字」六五頁より
- 偶然だが、頓の字形に差があることに気付いた。
●次の2点は「第六 本邦製作字」七〇〜七三頁より
等々……他にも読み処満載、面白いでしょう!?
*1:調べていたことのヒントは無かった