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組版の書籍『組む。』_「レイアウト調整」の再発見

『組む。InDesignでつくる、美しい文字組版』を著者のお一人である紺野慎一さんからご献本いただいた。

組む。 - InDesignでつくる、美しい文字組版

組む。 - InDesignでつくる、美しい文字組版

版元の商品ページ


昨日(100601)のDTP Booster012Ustream生中継をご覧になった方も多いだろうが、あの内容を中心に「二倍ダーシ、ちょんちょん、アポストロフィー」など細かい点まで、痒いところに手が届くような濃ゆ〜い内容になっている。

Ustreamの録画ページ


未だパラパラと見せていただいた程度だが、基本的に私が理解していることは、考え方も「そうそう」と「我が意を得たり」の内容なのだが、知らなかったことも多い。
中でも(セミナーでも一番最初に採り上げられた)「レイアウト調整」は、氏が仰っていた通り「目から鱗」の機能である*1
録画及び『組む。』を読んでいただければ判るので詳細は省くが、「レイアウト調整」をONにしておくと、異なるレイアウトグリッド設定のマスターページを適用することで版面変更に対応可能だということ(但し、ページに置いたフレームグリッドの設定は「レイアウトグリッド」にしておく、マスターページにフレームグリッドを置いておく必要はない)*2


DTP Booster012についてはDTP Transitさんのページに豊富なリンクがあるが、その中のひとつ、id:seuzoさんの記事にある

...と、ここまで考えた時、紺野さんが社会的な位置をはっきりとさせた上で本書を書かれたのは、少しハンデがあり過ぎだと感じます。InDesignユーザーはぼくみたいにすれっからしばかりじゃありません。「凸版印刷の紺野さん」のおっしゃることを、金科玉条のように受け取る向きもあるでしょう。中堅ユーザーにとってさえ、上意下達の匂いに幻惑されるかもしれません。

という記述が危惧(杞憂が相応しいかな?)でしかないことを願う。


(以下、100603追記
「レイアウト調整」に関して、twitter上で

神の声が聞こえなくなりました…テキストを流し込んだ後「レイアウト調整」を使用して2種のマスターでシュミレーションしようとしても、[レイアウトグリッド]の適用が解除されてしまいます。なぜに?CS4

という @iwafuchi さんの呟きを発見。手っ取り早くいつも使っているCS3で検証してみたが、確かに、フレームサイズや位置及び段組など文字サイズは変更されるようだが行間及び文字サイズはレイアウトグリッド通りには変更されないようだ。
この辺りに限界があるのかも知れないが、後続のフレームグリッドと連結されているなら、最初の頁のフレームグリッドに「レイアウトグリッド」を適用さえすれば連結されたフレームグリッドも同様に適用されるだろうから(フレームのサイズは変更されるので)そんなに手間ではない*3……充分に使い勝手のある機能だとは思う。


(以下、100603さらに追記
コレを回避するには、InDesignの勉強部屋さんのCS4_No.22 レイアウト調整を使用した版面設計の変更にあるようにマスターにフレームを置いておいて変更してしまうという選択肢も捨てがたい(但し、これはレイアウト調整機能とは直接関係はなく、従来私も採用していた方法*4)。後々どういう変更があるか予想はできないので、ケースバイケースというわけにもいかず、難しいところ……結局は好みか?*5


●関連ページ
InDesign CS4 ユーザガイドの自動レイアウト調整機能について

*1:白状すると、触ったこともなかった

*2:見開きの片ページだけへの適用はCS5ではNG

*3:もちろん、マスターの適用は必須

*4:※括弧内赤字部分100604追記

*5:版面設計段階あるいは実作業などなど、この機能を使う場面にもよるのかも知れない