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続_合成フォント/縦組中の欧文回転/自動縦中横

さて、昨日の続き……縦組みに欧文フォントの英数字を使用する場合の問題点。


まず、以下のように英数字はすべて半角入力のテキストを用意し、「自動縦中横=2桁まで」を適用し、さらに加えて「縦組み中の欧文回転=ON」としたものを準備した。
※念のため確認しておくが、文字組みアキ量設定の和/欧文間は12.5%、和/英数字間は0%である。



この状態に何ら問題点はない。
次に、英数字を手動でAdobe Garamond Pro-Regularに変更したモノと、



同様の合成フォントを適用したモノの2種を作成し、



重ねてみた。



上の画面である程度ご確認可能だと思うが、部分的に拡大したものが以下。



  • 右端の例から合成フォント(赤)は文字揃えが欧文ベースラインとなってしまうために少し左に寄ってみえるのが判るし、一方の手動の場合(青)は和/英数字間のアキに和/欧文間のアキ(12.5%)が適用されてしまっているのが判るだろう。
  • 中の例の自動縦中横が適用された2桁部分の合成フォント(赤)部分を見ると、(合成フォントの)文字揃えが欧文ベースラインになっている影響で少し下がり気味になっていることが判る。尚、自動縦中横が適用された結果、手動の場合(青)の2桁部分には余分なアキはなくなっている。
  • 左端の例をみると、3桁以上に縦組み中の欧文回転が適用されているが、手動の場合(青)の部分にはやはり(和/英数字間のアキの0%ではなく)和/欧文間のアキ(12.5%)が適用されてしまっているのが判るだろう。

※再度ことわっておくが、文字組みアキ量設定の和/欧文間は12.5%、和/英数字間は0%である。


結論としては、縦組み中の英数字に欧文フォントを使用する場合、
一般的には合成フォントで処理する場合が多いと思うが、合成フォント内の文字揃えが欧文ベースライン揃えになることを念頭に置き、欧文/英数字のベースラインを適切に変更しておくことが必要。
手動や検索/置換を利用して英数字のフォントを変更する場合には、(自動縦中横適用以外の)和/英数字間に和/欧文間のアキが適用されてしまうので、その部分を0%に設定するしかない。もちろん横倒しの欧文が出現する頻度も考慮しなければならないが……。


上記の例では欧文を加えるのをウッカリと忘れたが、例えば「NHK」など頭文字の3文字程度のモノは立てて表記するのが一般的。それは「縦組み中の欧文回転=ON」で実現できるが、当然、手動で欧文フォントに変更した場合は「和/欧文間のアキが適用されてしまう」ということを忘れてはいけない(一般的にはベタ組)。幸いなことに合成フォントでは無視される(ベタ組)*1


(以下、20100901追記
上記バグの件、Adobeさんのカスタマーサポートポータルに投稿しておいた(2010/08/25)が、回答(2010/09/01)は以下の通り。

ブログの内容を拝見し、弊社環境でテストを行いました。
結果:
現象を確認しました。InDesignの不具合と考えます。
なお、現象はCS3,CS4,CS5で発生しております。
不具合として開発部へ報告し修正依頼をいたします。

ということで、なんらかの形でバグフィックスされることと思う。

*1:合成フォントの構成にもよる。合成フォントの「和欧文間隔」の仕様変更?の末尾参照。※この件との関連は定かではないが、従属欧文では和/欧文間のアキが適用されるのは、当然といえば当然