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イラレの文字組みアキ量設定とドロップシャドウの不可解な関係

twitter上で「文字組みアキ量設定」をキーワードに検索していて「Memento Macid:neriu)さんの“イラレの文字組みアキ量設定を変更すると発生する「ドロップシャドウ効果の謎のズレ」の解消方法”というブログ頁に辿り着いた。


少し気になったので、簡単に検証し、先方の頁にもコメントを書き込んだ。
しかし……私の重大な確認ミス。やはり、最終的にリンク先でお書きになっている解決法が最良だという判断に落ち着いた。


以下、(反省も込めて)私の誤解の経緯も含めて、再検証した結果を報告しておく。
Mac OS X 10.7.5上のIllustrator CS6にて検証)
※ブログの題材を横取りするようで申し訳ないが、ご本人には了承していただいた。


まず、あらかじめデフォルトで用意されている約物半角」「約物全角」の二つを元に、4種類の「文字組みアキ量設定」を新規に作成しておいた。
以下、すべての文字組みアキ量の設定変更は行中の括弧類・中点類のみ


  • 括弧類の前後(外側)の最適値を25%にした設定(「コピー」

と、


  • 加えて中点類の前後のアキを0%にした設定(「コピー 2」

である。


画像をご覧いただければお解りいただけると思うが、結果的にそれぞれ(「コピー」と「コピー」、「コピー 2」と「コピー 2」)同じ設定となっている(変更箇所のみの話)。


これをアピアランスでドロップシャドウを生成したテキストに適用すると……


  • 何故か「約物半角コピー 2」のみドロップシャドウのズレが発生する(文字組みアキ量の設定とズレているのは影の方である)


ここまでは、あらかじめ文字組みアキ量の設定を用意しておいたということ。

        • -

ここからは、作成途中でアキ量の設定を変更するということ。


この状態で上の二つのアキ量設定それぞれ(現状はデフォルトママ)を、「コピー 2」と同様に変更し「コピー 3」として保存すると同時に適用する。



以下の通り特に問題は無い。



次に、中の二つ(「コピー」)の中点類の設定を「コピー 2」同様に0%にしてみる(名前は変えない)。



今度は……両方とも見事にズレル。


  • この時点ですべての設定は同様になっているハズなので、黒い文字自体は揃っている(ドロップシャドウが付いてきていないということ)


この状態でとりあえず保存してファイルを閉じ、再度開いてみると……


  • ドロップシャドウのズレは解消しており、一見したところ問題は解決したかに見えてしまう*1
  • しかし、アキ量設定はすべて同じようになっているハズなので、行長も当然が揃っていないとオカシイ(事実、保存した時は黒文字は揃っていた)
  • つまり、現状はズレたシャドウに文字を無理矢理揃えている状態(文字組みアキ量設定を無視して…)

詳細に検証することなく、単にズレが解消したと見えただけで問題解決とコメントした自分が情けない。


マウスを近づけると……


  • この朧気に見えるのが文字組みアキ量設定通りの文字の位置のハズ
  • 保存前にドロップシャドウがズレていた3行とも同じ状態


何だかオカシナ具合である。
試しに、これをドラッグコピーしてみると……




  • 見事にズレが再現した(オカシイのは上の3行のシャドウの方)
  • 上の図に偶然表示されているバウンディングボックスもおかしな具合だが、これが本来の正しい領域であろうことは疑いない
  • 素直な感想を言うと無茶苦茶ですワ


リンク先の解決法の通り、このズレた文字組みアキ量設定に何も変更を加えず別名で保存(それぞれ「コピー 0」「コピー 22」)し、適用する……


  • 見事に問題は解消した


もちろん、ドラッグコピーを試してみても問題はない。



保存終了後、違うテキストで試してみても問題は無い。



つまり(なんとも曖昧な報告で申し訳ないが)、
ドロップシャドウを付加するテキストにカスタマイズした「文字組みアキ量設定」を適用すると、シャドウとテキストとの間にズレが発生することがあるが、カスタマイズした「文字組みアキ量設定」をそのまま別名で複製・保存し適用すれば大丈夫。
但し、(上で検証した通り)現状では、この現象が発生する条件は明確ではないし、なぜ複製するだけで解決するのかも不明ではある。


なお、ズレの発生するモノをドラッグコピーした際に、画面の表示が以下のような理解不能な状態に陥ったことも付け加えておく*2



アドビテクニカルサポートとのやりとりの結果(20121005追記

ご指摘いただきました症状を確認いたしました。
明らかな動作不良のためIllustratorの不具合であると思われます。
すでにブログでご紹介いただいている方法以外で
有効な回避方法がございません。
本件は弊社開発部まで改善のリクエストを行いました。
このたびはご報告いただきありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。

*1:情けないことに、私はこの段階で早合点し、例のコメントを書き込んだワケであります。申し訳ありません

*2:1行目のみ。この時は、(更に下方にあるもう1行と)計4行を同時にドラッグコピーした2回目だった