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文字組みアキ量設定の行末把握のバグ?

前回の記事で「禁則調整方式=調整量を優先」*1では、文字組みアキ量設定の行末がキチンと把握できていないのではないかという疑問が湧いた。
それを検証するために以下のようなテキストを用意した。



文字組みアキ量設定はデフォルトの行末約物半角/全角をベースにし、基本的に最小値を読点の後は12.5%、同じく句点は25%、仮名の前後は−2.5%、読点の前も−2.5%。
したがって仮名と仮名の間は−5%、仮名と読点の間も−5%、読点と仮名は10%アキ、句点と仮名は22.5%アキとしてある。
つまり、かなは−5%・読点は−2.5%の調整量をもつという設定
読点も句点も行末に対してはデフォルトのママの最小0%/最適50%/最大50%
※以下仮名を増減することで調整可能量を調節している(2012.03.04追記


1段落目と2段落目の調整量は行中の読点で37.5%ツメられるので残り12.5%、
3段落目と4段落目のは句点で25%ツメて残り25%となるハズだが.........。



ご覧のように入ってはくれない。


これを次に続く仮名の「あ」とのアキを考慮して
1段落目は12.5+10%、2段落目は12.5+22.5%、
3段落目は25+22.5%、4段落目は25+10%と考えると



ちゃんと収まってくれる。


ちなみに2番目の追い出された例を追い込み優先にしてもダメだが、句読点の後のアキを文字設定パレットでベタ(0%)に設定すると、これも予想通り収まる(追い込み優先/調整量を優先とも)。



やはりこれでは行末に対してのアキ量設定、最小0%/最適50%/最大50%はぜ〜んぜん意味をなさないことになる。


(以下、071101 21:35頃追記
なお、蛇足を承知で付け加えるならば、行長が充分であれば、たいして気にする必要はない
なぜなら1行中の仮名の比率が60%ともいわれる昨今、たとえば行長が30字程度ある行組み版であれば、(同様の設定を前提として)たとえ仮名比率が50%だとしても、5%*15=75%の調整量が確保されることとなり、この問題が顕在化することは稀であると思われる(30字もあれば句読点の一つぐらいはあるだろうから)。ちなみに1番目のなんなく収まっている例は20字詰めだが仮名比率は50%程度であり、それだけで50%の調整量が確保されている。

*1:少なくとも。他の調整方式は未検証or無意味