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表外漢字の正字化_05

また続ける。(090124_画像差し替え・追加、以下青字部は変更・追加)




部分字形「告」の際に少し触れておいたが、「誹/徘」は90JISで「非」の左下の横画が突き抜けない字体に変更された(常用漢字の「悲/扉/排/罪/輩」、人名用の「斐/緋」も同様)のだが、04JISでは表外漢字字体表に合わせて「非」の左下の横画が突き抜けた字体に戻された。しかし、同様に90JISで変更された表外字でも表外漢字字体表に挙げられていない多くのモノ(「榧」より下)は04JISでは変更されず、突き抜けない字体がママ現行の例示字形となっており、当然標準字形(90JIS=左)では突き抜けていない。



ここで判断に悩むのだが、異体字の用意されていない表外字は他にも以下のようなモノがあり、各社各様の字体となっている。



一番下のヒラギノOSX_Panther付属)に注目すると、ポリシーとしてすべてが突き抜けない字体となっているのが判る。


試しに上図のフォントをヒラギノに変更してみると……、



見事アッパレというべきなのかどうか……、私はヒラギノを使用することは皆無に等しいのであまり気にならないが(現行のヒラギノは04変更には対応しているのだろう……未確認/私の現在の環境では確認不可)。


ちょっと心配するのは、ヒラギノ場合、例えば筆押さえに関するポリシーが邪魔をして、新・常用漢字が施行された場合にCMapの変更だけでは対処できようもないだろうということだが、筆押さえに関連する文字はあまりないのが救いではある*1


私自身としてはこんな些細なことはどうでもいいように思うのだが*2「誹/徘」だけが04JISで変更されたという不可解でどうしょうもない事実はあるもあり、『明朝体活字字形一覧』を参照して、異体字のあるものは置換すべきと判断した


モリサワは以下の通り。



基本的には左右それぞれ字形差はなく、何故か表外字では「誹」のみ突き抜けていない。これはたとえ「Pr6N」にしても同じことである。これもポリシーということか。


以下、青文字_081109追記
JIS規格の例示字形(字体)の規範性に関しては小形さんのこの記事を参照されたい(コメント欄も含めて)。


●扱った表外字(04以前の人名用以外)
誹/徘/榧/琲/翡/腓/菲/蜚/裴/靠/鯡
剕/劘/匪/啡/悱/暃/棐/痱/篚/蘼/輫/釄/霏/靡/騑


●以下、オマケ


知人に見せてもらった、11/29が発行日(先付)の某誌別冊
小見出しが……なのだが、よく見ると数字の使い方もオカシイ。


*1:新・常用漢字に採用される字形(字体)は未定だが

*2:詳しくは知らないが、例示の使用書体を写研から平成明朝へ変更したことに起因するという、デザイン差の範囲のこと。事実、83JISを標準字形とするCIDフォントを使用していた頃はこんなことに頓着しなかった。試しに左の列をモリサワNew-CIDに変更してみると「琲/誹」以外はすべて突き抜ける字体となった