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私の(も)「文字組みアキ量設定」_改

記事(及び画像)中で【行末約物】の扱いについて「全角/半角浮動」「全角/半角(浮動)」などと表記してあるものは「状況により全角/半角の二者択一」という意味であり、決して中間値を採るという意味ではありません。私の(用語的な)理解不足による不適切な表記に他なりません。ご寛恕くださいませ。
InDesignの文字組みアキ量設定の基本設定画面の「50%(0%〜50%)」などは「最適/50%、最小/0%、最大/50%」ということで中間値を許容します。しかし、行末設定に現れる「50%/0%」は「最適50%/最小0%」、「0%/50%」は「最適0%/最大50%」の二択で中間値は採りません。
※「〜」の有無で見分ければいいでしょう(もちろん、「固定」は固定)。

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最新版は……2011年9月に 私の「文字組みアキ量設定」_1109版_01 から 私の「文字組みアキ量設定」_1109版_結 までの7本の記事により詳細な手順を掲載している。また、 私の「文字組みアキ量設定」_1109版_オマケ約物全角ドリの「文字組みアキ量設定」例InDesignの文字組みアキ量設定の4大バグ も参考にしていただきたい。

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さて、「文字組みアキ量設定」だが……。


これも以前に私の(も)「文字組みアキ量設定」と題する記事で提示したモノをタタキ台に、微修正を加えたモノを提示する。
尚、この設定は「調整量を優先」使用時に効果を最大限に発揮するハズだが、他の設定で使用しても特に不具合は起きない(不要な調整を加える結果とはならない)と考えている。


基本的には、デフォルトの「行末受け約物全角/半角」を基に調整の優先度を変更しつつ、(主に)最小値と(一部の)最適値を調節する。最大値はデフォルトのママ*1


●優先度の変更
区切りの意味の強弱を考えて、以下のように変更する。
調整優先ランク 句点(優先度なし)<読点(優先度7)<中点類/括弧類(優先度3)
対「行末」以外はすべて「なし」に
※優先度はツメル場合はもちろん、どうしてもアキを字間に割り振らなければならない場合にも効いてくる。以下の設定で区切りの強度を考えて最小値に変化を持たせていることもあり、考えを改めた。(100116追記


●最小値と最適値の調節
JIS X 4051を(一部)考慮して、以下のように変更する(数字は最小値/最適値)。
行中カギ括弧類 25%(4分アキ)/50%(全角ドリ)※最小でもベタにはしない
行中残りの括弧類 12.5%(8分アキ)/50%(全角ドリ)※最小でもベタにはしない
行頭括弧類 0%(天付き)/0%(天付き)
行末括弧類 0%(半角ドリ)/50%(全角ドリ)※全角/半角浮動
行中読点類 25%(4分アキ)/50%(全角ドリ)※最小でもベタにはしない
行中句点類 50%(全角ドリ)/50%(全角ドリ)※句点は調整に使用しない
行末句読点類 0%(半角ドリ)/50%(全角ドリ)※全角/半角浮動
行中中点類 12.5%(8分アキ)/25%(4分アキ)※最小でもベタにはしない
行頭行末中点類 25%(4分アキ)固定
※中点類に関しては段落先頭の中点類もさわりたいが、ややこしくなるのでデフォルトのママ/必要時に個別設定
約物が連続する場合は括弧類の前後0%/0%、中黒の前後12.5%/25%、読点の前0%/0%、後25%/50%、句点の前0%、後50%/50%とする。但し同方向は0%


●手順
まず、基本設定でおおまかに設定しておいて……



さらに詳細設定で個別に設定してから、
カギ括弧類の外側の最小値を25%に変更(優先度5)



※区切りの強弱を考慮して最小値も少し変化をつけているので、優先度の設定はあまり意味がないかもしれないのだが……


以下はお好きに

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和文と欧字(アルファベット)の間隔 12.5%
和文と欧数字の間隔 0%
※お判りだと思うが、JIS X 4051は考慮していない。あくまでも私の好みの設定なので、各自の好みあるいは指示によって変更すべき部分

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段落字下げなし
段落始め括弧類半角

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基本的な部分はこの程度。
※案件毎に異なる場合が多い「段落頭の字下げ及び括弧類」・「行頭括弧類」・「行末句読点・括弧類」それぞれの扱いは、共に「基本設定」を変更すれば大丈夫なハズ。


ほぼ完成したので、一度保存する(HW2.5)。


●さらに最小値の調節
ここでさらに「調整量を優先」の特徴を最大限に生かすため(あるいは「ぶら下がり/あり」併用時のバグを誤魔化すため)に、(私の経験上)比較的目立たないと思われる箇所の最小値を−2.5%に調節して調整可能箇所を増設する(HW2.5n)。


具体的には行頭禁則和字・和字間隔・平仮名・カタカナ・全角数字の前後、括弧類の内側、丸括弧の外側、読点(コンマは除く)の前。(重複する箇所は−5%となる)
つまり、少なくとも行頭禁則和字・和字間隔・平仮名・カタカナ・全角数字・丸括弧は−5%、括弧類・読点は−2.5%の調整可能値をもつことになる。
※文字クラス毎に順に設定していくと判りやすい。まず−2.5%を入れ、クラスを変えた際に既に−2.5%が入っているところは−5%となるだろうから。
※現状では読点のうしろのアキの最小値は25%であることに注意。
※これらの部分の優先ランクを何処にもってくるかは「好み」による(誰の?も問題だが)。例えば中点・括弧類に調整が集中するのを避けたいなら、(上で変更した)それらの優先度「3」より上位あるいは同等にすればいい。ここでは、とりあえず同等の「3」としたが、個別に優先ランクを変えるのもいいだろうし、(この部分以外もふくめて)すべてを「なし」=同等とする選択肢もある




上記の画面キャプチャ画像を貼り付けたpdfはコレ→akiryousettei_HW.pdf 直 (アイコンをクリック)
何であれやってみることが大切。興味のある方は参考にしていただいて、チャレンジ&アレンジすることをオススメしたい。


冒頭にも記したが、この設定は「調整量を優先」使用時に効果を最大限に発揮するハズだが、他の設定で使用しても特に不具合は起きないと考えている。


次回はこの設定に読点の後ろも50%アキ(全角固定)にしたものなどアレンジを加えたものも用意して、(「調整量を優先」以外に適用することも含めて)色々な場面での挙動を確認し、(DTP Booster 005のフォローを兼ねた)この一連の記事の結びとしたい(設定済みのInDesign CS3 及び .inxファイルも公開するつもり)。
コレ→nandeyanen.zip 直 【アイコンをクリック】※近日中に修正版をupする予定
※前括弧類の優先度が設定されていないのを本日発見。いずれにせよ優先度を「なし」にしたモノを近日中にupするつもり(100218追記


新しい設定を含むInDesign CS3ファイルは
 コレ → HW_akiryo_new.zip 直 【アイコンをクリック】
詳しくは私の「文字組みアキ量設定」_1002版を参照ください。


以下、090909 13:30頃追記
行頭中点類 25%(4分アキ)固定の設定がヌケていたので、以下の通り変更した。



※ダウンロードされるpdfは元画像を合成修正したモノに差し替えスミ(090909 13:55頃)

*1:最大値をさわってドツボにはまった経験アリ