なんでやねんDTP・新館

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InDesignの改行位置判断の基準_お手上げです

記事(及び画像)中で【行末約物】の扱いについて「全角/半角浮動」「全角/半角(浮動)」などと表記してあるものは「状況により全角/半角の二者択一」という意味であり、決して中間値を採るという意味ではありません。私の(用語的な)理解不足による不適切な表記に他なりません。ご寛恕くださいませ。
InDesignの文字組みアキ量設定の基本設定画面の「50%(0%〜50%)」などは「最適/50%、最小/0%、最大/50%」ということで中間値を許容します。しかし、行末設定に現れる「50%/0%」は「最適50%/最小0%」、「0%/50%」は「最適0%/最大50%」の二択で中間値は採りません。
※「〜」の有無で見分ければいいでしょう(もちろん、「固定」は固定)。


(昨日の続き)
繰り返しになるが、以下のようなテキストを作成し、

  • 1段落目は、行中に括弧類を適宜配置し全角分(100%)以上の十分な調整可能値を確保した例
  • 2段落目は、これ以上は調整可能箇所がない例


真ん中のグループ「行末丁度におさまっているモノ」に対し、

  • 「ぶら下がり方法」は「なし」で、「禁則調整方式」は全4種
  • 「文字組みアキ量設定」は、デフォルトで用意されている「行末受け約物全角/半角」「行末約物半角」「(行末)約物全角」の3種をベースに、それぞれ「行中句読点全角/半角(浮動)=デフォルトママ」「行中句読点全角固定」「行中句読点半角固定」にした設定_計9種

総計36種類の設定を適用してみた。
※昨日のpdf nandeyanen090914.zip 直 の末尾にまとめておいた 【アイコンをクリック】


元のテキストを見ていただけばお判りになると思うが、行頭から最適値で組んだ場合にはピッタリ収まっているので、「行末全角固定」の場合に設定によっては追い出し処理されることが考えられる以外は、すべてすんなり収まる結果となって当然のことだと思う。


ところがどっこい、そうは問屋が卸さない。収まらないモノもあるのだ。
だが、その「思い通りに収まらないモノ」・「収まっているモノ」それぞれの挙動の関連性は、どうにも説明がつかない。


「追い込み優先」の場合の例を見てみると(「調整量を優先」でも同じ)……


  • 対「行末」の「最小値」ではなく「最適値」を参照するからか? と考えても、ならばなぜ一番上の「行中句読点全角/半角(浮動)」の場合は収まっているのか?
  • 対「行末」ではなく「次の文字」とのアキの最適値(あるいは最小値)を参照するからか? と考えても「行中句読点半角固定」でも収まってはいない。


いくら考えても判らないモノは判らない。
最大の謎は共に「行末受け約物全角/半角(浮動=最小値0%/最適値50%)」であるにも関わらず、「行中句読点全角/半角(浮動=最小値0%/最適値50%=デフォルト)」の場合は収まって、「行中句読点半角固定(=最小値0%/最適値0%=カスタマイズ)」では収まらないということ*1
こういう挙動にこそ「なんでやねん」と疑問を投げかけねばならない。


上の収まっていない2例の読点の後ろアキ量を手動でベタにしてやると収まる……この場合のアキ量は「行末」とのアキとなるのかどうかも判らないが、「行中句読点半角固定」が収まるようになるのだからと考えると、「行末全角/半角浮動」を「行末半角固定」としたことになるのかなぁ……判らん!



試しに前揃えにしてみると……



共にスグ上の収まっているモノと文字間隔に差はない。
もちろん「行中/行末」の設定も同じハズ。
なのになんで入らんの? 何を考えとんの?


元々の「行末」との「最小値(0%)」はどういう判断になってるのかなぁ?
ちょっとカスタマイズ(普通にやるべきこと)をするだけで「行末」との「最小値(0%)」は参照されなくなるのかなぁ?
頭のカタイ私には、どうにもこうにも「ワケがワカリマセン」、お手上げです……という情けない結果になった。


私はこの際、敢えてInDesignさんにお訊きしたい(外国生まれにしてはよく頑張っておられるのだが)。
あなたは、どの場合に、何を、どのように解釈して、このような理屈に合わない、何等整合性のない改行位置とするご判断をくだしておられるのですか?


結局、「ぶら下がり/なし」の場合には「行末約物半角固定」が無難だという消極策しかないことになるが、この場合も、「調整量を優先」では仮名の前後などに調整可能箇所を増設した「文字組みアキ量設定」を併用することで、(調整可能箇所が十分にあれば)この問題は回避できるということは、直前の(調整可能箇所を十分に確保した)例が収まっているのをご覧いただければお判りかと思う。是非とも、覚えておいて欲しい。


  • 先日作成した「HW2.5n」を適用し、行末の読点の後ろアキを半角(全角ドリ)にした例


(以下、100623追記
Adobeさんのカスタマーサポートポータルで問い合わせた(20100618)ところ、以下の回答をいただいた(20100623)。

ブログを拝見させていただきました。
InDesign CS4やCS5でも同じ動きを確認いたしました。
本件はInDesign CS-CS5の不具合と考えます。
テキストを左揃えにすると行末までのアキが1.5文字分あることが確認できます。
行末受け約物全角/半角の設定を見ますと最小がベタとなっていますので(不具合により)行頭に送られた「し、」が行末にいることが出来る(送られる必要が無い)ということになります。

なお、不具合連絡フォームへの投稿に関しては

また、不具合連絡フォームへの投稿も誠にありがとうございます。
投稿いただいている内容については、個別に返信は行っておりませんが、内容は弊社でも確認させていただいております。
いつもありがとうございます。

とある。「カスタマーサポートポータル」を利用する方が精神衛生的にはよいような……。

*1:少々矛盾した組み合わせではあるが……