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日本語文字組版_文献紹介

社会生活一般において、「常識」「普通」「一般的」なんぞという概念を忌み嫌う私だが、こと「組版」に関してはそうでもない。
先人の言説に学ぶことなく、それに逆らうようなことは主張すべきではないとも思うから。


どなたかの参考になるかもしれないので、組版に関しての文献を手持ちの中から紹介しておく。
個々に関してはとくにリンクは張らず説明もしないが、書名をコピペして検索しさえすれば容易に版元や通販及び書評など様々なWebページに辿り着けることと思う。
ISBNコードを付記し、リンクを張った(100313修正)。


まず筆頭には『日本語文書の組版方法』(JIS X 4051)*1を挙げなければならないが、次には、業界外の方までもが

日本語の組版の基本を知りたくて調べたときに、書籍としては次の三冊がよく言及されていた。

と挙げられている三冊。→ 参照






組版原論
タイポグラフィと活字・写植・DTP
府川充男, 1996, 太田出版
ISBN:4872332725






『基本 日本語文字組版
(逆井克己, 1999, 日本印刷新聞社)
ISBN:4888840938






「明解 日本語文字組版
鈴木一誌・前田年昭・向井裕一,
『明解 印刷ガイドブック DTP実践編』所収,
1999, 玄光社
ISBN:4768301045
※本書については先日の記事を。



先の二冊に「明解 日本語文字組版」の元となった『ページネーションのための基本マニュアル』(略称:ページネーション・マニュアル)を加えて要点を簡潔にまとめたものがココに。

『ページネーション・マニュアル』そのものは「日本語の文字と組版を考える会web」からダウンロードできる。


さらには






『たて・ヨコ組版自由自在』
府川充男・小池和夫, 2000, グラフィック社)
ISBN:4766111990






組版タイポグラフィの廻廊』
府川充男・小池和夫・小宮山博史日下潤一
前田年昭・大熊肇, 2007, 白順社
ISBN:4834400980






『日本語組版の考え方』
(向井裕一, 2008, 誠文堂新光社
ISBN:4416608268

加えて






『標準 校正必携 第七版』
日本エディタースクール編, 1995〈1966初版〉,
日本エディタースクール出版部
ISBN:4888882355






『誤記ブリぞろぞろ』*2
(野村保惠, 2005,
日本エディタースクール出版部
ISBN:4888883610

未確認情報ながら、大●肇さん、紺●●一さんも組版関係の新刊を準備中とか……楽しみ。


その他の文献については、Web上には少し古いが組版の参考文献という頁もあるし、mojiの文献頁で「組版」で検索してみるのもいいだろう。


またWeb上には、上に挙げた「日本語の文字と組版を考える会web」、これまた先日挙げた『日本語組版処理の要件(日本語版)』、さらにはライン・ラボ/前田年昭さんの「書庫:DTPの技術とワークフローを考える」と題する頁など、多くの情報が公開されているので、是非一度ご覧になることをオススメする。


以下、『日本語組版処理の要件(日本語版)』「1.3 このドキュメントの執筆方針」より一部抜粋

日本語組版に関する日本工業規格(JIS)に“JIS X 4051(日本語文書の組版方法)”がある.これとの参照関係をできるだけ示すことを心掛けた.本文書では,記述をできる限り本質的で重要な事項に限定した.そのため,詳細な処理内容はJIS X 4051にゆずり,参照だけで示した箇所がある.JIS X 4051の記述のうち,本文書に記述がない部分は,特別な例外的な場合や,行組版についての具体的なアルゴリズム記述に限られる.なお,本文書では,JIS X 4051で規定されている内容だけではなく,それ以外で重要と思われる事項についても解説するようにした.したがって,本文書の内容を実装することで,日本の大部分の市場要求に応えることができる.

また,このドキュメントとJIS X 4051との関係でいえば,JIS X 4051の要点の解説あるいは要約,補足説明,それに関わる周辺情報の追加,JIS X 4051で規定していない事項の解説ということになる.したがって,基本的な事項を理解するためであれば,このドキュメントで十分であるが,細部にわたる例外的な内容を知るためにはJIS X 4051を参照する必要がある

*1:味気ない表紙なので画像は割愛

*2:今年(09)の8月末に某セミナーの二次会で偶然お会いした(初対面)際、この本を読んだことをお伝えしたところ、改版(新版?)を準備中とのことだったが、『新しい校正者の基礎知識』か?(昨日の呑み会からの情報)