なんでやねんDTP・新館

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「文字前後のアキ」と「+トラッキング」と「和欧文間隔」

今朝、事務所のポストに入っていたA6(二つ折り)サイズの投げ込み宣材。
「激安高品質印刷」を謳う「プリ●●。」という印刷屋さんのモノで、データ作成も請け合っているらしいが……。



明らかに欧文用の丸パーレンを使用している*1


下の部分を再現してみた(赤字部分)*2
文字組みアキ量設定はデフォルトのモノを使用し、ベタ(カーニング=0)の状態で全体にトラッキング+125をかけてあるのだが、和欧文間隔(デフォルトの25%)が効いてしまっているので丸パーレンの内側のアキが他の字間と較べて大きくなってしまっている。



本来は下の黒字のようにしたかったのだろうと思う。

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これを再現する際に再確認した*3
「文字前後のアキ」と「+トラッキング」の「和欧文間隔」との関係を記しておく。


下の画像の文字列は、上から順に
普通の状態(和欧文間隔の25%が効いている)、
文字の後ろアキを「八分」にした状態、
ラッキング+125をかけた状態。


  • 文字後ろアキを「八分(12.5%)」に変更すると、「手」の前は「前パーレン」に附随する12.5%+「手」に附随する和欧文間隔の12.5 25%アキ、「得」の後は(和欧文間隔を無視して)12.5%アキのみに固定されることになり、丸パーレンの内側のアキが揃わないが
  • ラッキング+125の場合は、丸パーレンの内側は共に和欧文間隔の25%+12.5%アキとなるので丸パーレンの内側のアキは揃う


和欧文間隔のアキは和字に付加されるらしいことは以下の画像でご確認いただけると思うが、「文字前後のアキ」でコントロールする場合は、文字種によっては、当然のことながら「文字組みアキ量設定」とも微妙に関係してくるということ。


*1:画像はスキャンしてPhotoshop上でガイドを引いたモノのキャプチャ

*2:作例はAdobe Illustrator CS2を使用したが、InDesignでも同様……CS3で確認済み

*3:本当は少し戸惑ったのだが……