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箇条書きなどの冒頭の中黒

twitterのフォロワーからご質問があったので、DMでお応えし、twitterにも流しておいたのだが、記事にしておく。

箇条書きなどの段落冒頭に中黒を利用している例をみかけるが、InDesignの「文字組みアキ量設定」では中点類の段落先頭は(基本的には)「アキなし(0%)」に設定されており、Illustratorでは「アキなし(0%)固定」というのが実状で、中黒が段落冒頭に位置する場合は前に四分アキを挿入してやらないと全角ドリにならない*1
このような場合、私はビュレット(U+2022)の等幅全角字形(CID12256)を使用している。中黒よりは少し大きいが、文中の中黒との差別化に繫がり、却ってこの方が都合がよい。

  • 上の画像は中黒を選択した状態での字形パレットの表示(InDesign上でUnicode順)*2

これは何もtips的な使い方ではなく、ウィキペディアでは「ビュレット(記号)」の項目に
「箇条書きにおける用途」として

箇条書きの1項目を示す印として、箇条書き項目の先頭に置く

と記されており、一方、「中黒」の項目には、

箇条書きのビュレットの代用に使う。Unicodeではビュレットには専用のコード U+2022 (•) があるが、JIS X 0208 にはなく中黒が使われることが多い。

と記されているのでも判るとおり、正統な使用方法だといえる。

InDesignでは上の画像のようにCID12256を選択すればイイので簡単だが、IllustratorではCIDが確認不可能なのでちょっとヤヤコシイ。

ここ例示したモノは右に示したいずれかの表示になっているのを確認したが、それらしいモノをダブルクリックして画面で実字形と位置を確認をすればいいだろう。あとはコピー&ペーストで大丈夫。但し、フォントを変更した場合は再確認が必要かもしれない。事実、この例を作る際には頭の2行をコピーしてフォントを変更したのだが、望む字形にはならず、中黒の等幅全角字形(?)となったりした*3

補足(2020.05.09追記)
上記のように、中黒から字形パネルをダブルクリックして字形を置換する場合は問題ないのですが、「ビュレット(U+2022)」を入力しておいて「正規表現スタイル」で「等幅全角字形」を適用するような場合注意が必要です。概ねN付き書体なら大丈夫ですが、そうでない場合は、字形パネルからダブルクリックで置換する方が無難でしょう。
その理由についてはtogetterの「GSUBテーブルの相違にご注意」をご参照ください。
また、いくつかの書体で確認したpdfもご参考まで。→[Billet_2015.pdf]

*1:1字取りとしても無駄である

*2:本来はCID順が都合イイのだが……

*3:Illustratorの字形パレットの右上の文字による表示は、前の表示を引きずる傾向があり、別の字形にマウスを置いて表示が変わるのを確認してから、マウスを戻して確認する必要があった