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Illustratorでの文字組_結論_やはりアキマセン

ここ最近、Adobe Illustrator を使用した文字組みについて5本ほどの記事を書いてきたが、これを最後にしようと思う。
段落スタイルや文字スタイルを含めて、他にも触れておいた方がいい機能(設定)は多いが、やはり前回触れた肝腎の「文字組みアキ量設定」の件が気になって、書き進める気にならないのが大きな理由。

私の大きな不満点を二つだけ挙げておく。
●禁則調整方式として、InDesignには搭載されている「調整量を優先」の設定が不可能なので、行中で発生する1字分に満たないアキに関しては、ほとんどの場合(行頭・行末禁則に関わらない限り)、そのアキを各字間に割り振ってしまう、追い出し処理しか出来ない点。
これを追い込む方向で処理するには、(当該行全体に−トラッキングや文字ツメを使用しない限り)調整可能箇所に適切なツメを施す必要があり、その数によっては大変な手間が要求されるハズ。
約物の前後アキを行頭・行末禁則に関わる行長調整に使用するに際しての優先順位が不適切な点。
この優先順位はデフォルトからの変更も不可能なために対処が難しく、最小値に変化を持たせることで、やっと少しは誤魔化すことが出来る程度でしかない。
(共に作例を示すべきだろうが、その熱意も失われた……*1

たったコレだけかと思われるかも知れないが、私には大き過ぎる。
やはりここで、皆さんに思い切って宣言してしまおう*2
Adobe Illustrator を(長文の)文字組みに使用するのはやめよう!」

(長文の)文字組みは InDesign にお任せいただいて、Illustrator ではただただ部品作りに徹することが、(後工程を含めて)作業者の幸せに繫がるだろう。もちろん、環境によっては InDesign をイチから習得する必要があるかも知れないが、そうした結果、文字組みにかかる手間や組み上がりの出来映えなどにおける Illustrator との差は歴然としたモノがあることを実感できるだろう。

蛇足にしかならないが……
 ちょっと寂しいので画像を追加しておく(100707追加_バグ報告も兼ねて)

  • 何故か二分アキが全角アキになり、行末にカギ括弧がぶら下がってしまう……

この場合、実際は最初の段階で読点を二分アキ固定にせずとも、行末の終わりカギ括弧を半角固定にすればコトは足りるのだが……。
試しに他のテキストでも検証してみたが、文字前後のアキ量で始め括弧類の前に二分アキを挿入すると全角アキになるというバグがあるのは確実なようだ(作例はCS4、CS3は大丈夫)。

(以下、20100710及び20100714追記)
上記バグの件、Adobeさんのカスタマーサポートポータルに投稿しておいた(2010/07/07)が、回答(2010/07/10)は以下(一部)

ブログを拝見させていただきました。
弊社環境でも現象を確認いたしました。
なお、Illustrator CS5では再現しませんでした。
この現象についてはIllustrator CS4の不具合と考えます。
過去の報告についてお調べしましたが該当するレポートはありませんでした。
この修正は文字組みを行うコアのライブラリーであるCoolTypeのアップデートによるものと考えられます。
ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。

これに対する、私の再度の問い合わせ(2010/07/10)

ありがとうございます。
CS5では再現しない、CS4の不具合……ということで、
バグフィックスの予定はないということでしょうか?
そこをハッキリと確認したいのです。
前バージョンを次々と切り捨てていく御社の姿勢に疑問を感じつつ……

それに対する回答は(2010/07/13)

誠に恐縮ではございますが、CS4に関しましては、すでに開発を終了しております。
そのため、旧バージョンの製品についてのパッチが提供される予定は残念ながらございません。
もし、今後Illustrator CS4のパッチの提供が決まり、本案件について問題が修正されるようであれば、改めてご連絡をさせていただきたく存じます。
何卒ご理解をいただきますようお願いいたします。

という予想通りのモノでした。

*1:一度は作りかけたが、場合によっては「行末に終わり括弧類がぶら下がる」あるいは「二分アキ固定としたのに全角アキとなる」などの挙動不審も発見され、それも説明する必要も出てくるために、もうエエワ……となってしまった

*2:私が言っても大した影響力はないだろうが……