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縦組みの変形時の1字下げのバグ

一昨日(20111026)のtwitter上でのある方の発言の原因を検証していて、またもやInDesignのバグを見つけてしまった。
最終的な結論をtwitter上で呟いたのが以下……



文字の縦横比率を変更した段落先頭1字下げの縦組みで、段落先頭に縦中横の文字が位置する場合には「文字組みアキ量設定」では正しい1字下げは実現不可能だということ。


順を追って説明する(検証環境はMac OSX 10.5.8上のCS4)。


まず、以下のような13Q正体の例を作成した。


  • 段落先頭は1字下げで、「文字組みアキ量設定」で実現
  • 数字およびアルファベットは半角入力(1バイト英数字)
  • 自動縦中横設定で2桁まで(欧文も含める)
  • NHK」部分は手動で縦中横を適用し、字間に「結合なし」を挿入
  • 縦組み中の欧文回転では和欧文間スペースが入るので使用しない


もちろん特に問題はない。
しかし、これを新聞などでよく使う平体2(天地80%)相当になるように左右サイズを125%とすると……



明らかに1字分以上字下げされてしまっている。


ならば……と、13Q*1.25の16.25Qとして天地80%としてみた……



なんら変わりはなく、同様に1字分以上字下げされてしまっている。


その変更過程の13Q平体2(天地80%)の場合は以下の通り、天地サイズ80%にもかかわらず、正体の1字分の字下げとなっている。



試しに長体50%にすると……



以上から、縦組みにもかかわらず、文字サイズに横方向の変形率をカケた数値を字下げ量としているのは明らか……バグであるとしかいえない。
縦中横という日本語特有の組版方法に対応したのはいいが、ここまでは考えられなかったということだろうか……。


このような場合の対処策としては以下のように、段落先頭は1字下げは「全角スペース」あるいは「インデント」で実現するしかない。


  • 画像差し替えました(インデント設定窓の間違い)


私の選択としては、当然「インデント」を採ることになる。