InDesignの文字ツメ用プラグイン【無料】
昔、QuarkXPressという組版ソフトを使っていた頃は今のような(ツメ組み用の情報をフォント自体が持っている)OpenTypeFontの時代ではなく、文字ツメ用のエクステンションが必要だった。そんな時にお世話になっていたのがテラ組版システムという会社が開発した「イージーコンポ」というモノだった。
そこは勿論、Illustrator用にも文字ツメプラグインを開発しており、書体毎のツメテーブルを必要とする「カンヅメマウス」からファジーカーニング(だったか?)を謳い文句にした「モジシャンK」へと進化していた(これにもお世話になっていた) *1。
そのモジシャンがInDesignのプラグインとなっているらしいことは小耳に挟んではいたが、(OpenTypeFontが主流となり)特に気にもかけなかった。
ところが、ひょんなことからtwitter上で話題にあがり、検索してみると「モジシャンX」というプラグインで、デモ版でもフォントワークスの「FW」「FOT」やイワタ「I-」、そしてヒラギノの「W3」「W6」などにはフリーウェアとして処理が可能とのこと……私自身の今の仕事内容からは、特に必要性は感じないが無料なら……早速、ダウンロードしてテストしてみたという次第。
まず「FOT-筑紫明朝 Pr6-R」にツメ処理を適用してみた……
- 下の赤の部分が「モジシャンX」での処理(6段階ある)
- 上の三つは InDesignのカーニング機能ママ
- (わかりにくいですが)行頭もツメられているのはメトリクスのみ
これをそのままフォントを「FOT-ロダン Pro-M」に変更してみると……
- カーニング量は変更されないので具合の悪いことになる
再度、各行毎に処理をすると……
- 当然、修正はできる(上の3例に手を入れる必要はないのはご存じの通り)
また、比較的ツマリ過ぎだと感じないでもないフォントでも……
- これだけバリエーションがあれば大丈夫
- 例示したのは「FOT-筑紫B見出ミン Std-E」
- この例ではメトリクスだけが行頭をツメているのがよくわかります
逆に、ツメ具合が甘いと感じるフォントの場合も……
- 微調整は必要かも知れないが、充分使用に耐える
- これは「I-OTFゴシックオールドPr6-B」
何かと便利に使えるオマケ的な機能もあるので、気になる方は是非ダウンロードして使ってみることをおすすめする。何しろ、無料というのが気に入っている。ありがとうございます。
※facebookへのコメントに縦組み(あるいは合成フォントの縦組み)でのツメ具合の難について言及あり、本格的に導入するのは慎重に…といってもデモ版は合成フォントに未対応なので検証しようにも不可能…但し、縦組みという条件だけなら特に問題はないことを確認した…(この部分、2013.01.07追記)
●ダウンロード先→ 有限会社 テラ・マーク・アンド・システム 様 / 概要紹介頁