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テキストフレームとフレームグリッドとデフォルト設定

InDesignの「テキストフレーム」と「フレームグリッド」の違いを「アプリケーションデフォルト」との関係を絡めて説明した「テキストフレームとフレームグリッドとアプリケーションデフォルト」と題する動画を作成し、YouTubeで公開した(都合によりCS5.5を使用)。


テキストフレームとフレームグリッドとアプリケーションデフォルト

http://www.youtube.com/watch?v=/LFsL3vrZYEU

InDesignのテキストフレームとフレームグリッドの違いをアプリケーションデフォルトとの関係も絡めて説明してみました。(あまり役に立たない)フレームグリッドをテキストフレームに変換した際の挙動についても触れましたので、かなりの長尺となってしまいまいたが、お時間に余裕があれば見てやってくださいませ。


ここでも、テキストベースで記しておくことにする。
(動画は27分46秒と長尺になってしまいました)

同様なチュートリアル的な記事へのリンクです
1. “InDesignの新規ドキュメント作成方法について”
2. “テキストフレームとフレームグリッドとデフォルト設定”(このページ)
3. “InDesignの「段落」「文字」などのカスタマイズ例”

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InDesignでは、さまざまな機能についていくつかの設定が選択できるが、新規ドキュメント作成時にあらかじめ設定されているモノを「アプリケーションデフォルト」という。
それぞれの設定はもちろん変更可能だが、どの時点で変更するかによって以降の作業に大きな違いが発生する。
例えば、何もドキュメントを開いていない状態で変更すると、それが新しい「アプリケーションデフォルト」となり、次に作成する新規ドキュメントに適用されることになるが、何かドキュメントを開いた状態で(あらゆる選択は解除して)変更すると、そのドキュメントにだけ有効な設定=「ドキュメントデフォルト」となる。


それがテキストフレームとフレームグリッドの違いを考える上でも大きな比重を占めることになる。


InDesignの文字組みに関係するデフォルト設定で重要なモノは3種類ある。


まず、「レイアウトグリッド設定」に適用されているアプリケーションデフォルト…


そして、「フレームグリッド設定」に適用されているアプリケーションデフォルト…


さらに、ドキュメントを開いた時点であらかじめ用意されている「基本段落」に適用されているアプリケーションデフォルト…
上の二つに関連する部分を抜き出すと……


つまり、「グリッド揃え」の部分のみが異なる(実際には他にも相違点はあるが後の画像で…)。


この状態で新規ドキュメントを作成し(作成方法は任意)、「テキストフレーム」を配置して文字を入力すると「基本段落」が適用され、新規に「フレームグリッド」を配置するとグリッドフォーマットは「レイアウトグリッド」が適用される。


ここで、「フレームグリッド」の段落スタイル(編集画面)を確認すると「フレームグリッドのデフォルトの段落設定」と「基本段落」のそれとの差異が確認できる。



  • 上の画像の通り、「自動行送り比率=100%」「グリッド揃え=仮想ボディの中央」、「文字の比率を基準に行の高さを調整」と「グリッドの字間を基準に字送りを調整」がON計4箇所の差異がある

「フレームグリッド」ではグリッドの設定によって行送り値が制御され、文字は(「グリッド揃え」の設定に拠って)そのグリッドに揃えられるのが基本的な使い方であるため、「自動行送り」の文字サイズに対する比率は100%で充分ということになる(文字絡みの設定2箇所のチェックON/OFFの際の挙動の違いについては後日あらためて…)。


(これ以降については動画で説明を尽くしていると思うので、テキストのみとし画像は割愛させていただく)


例えば、ある段階で「レイアウトグリッド設定」と「フレームグリッド設定」の内容に差異が発生*1した場合には、配置される「フレームグリッド」は「フレームグリッド設定」に依存することになり、「グリッドフォーマット」として「レイアウトグリッド」が適用されることはない*2

アプリケーションデフォルトあるいはドキュメントデフォルトの変更後であっても、「レイアウトグリッド設定」と「フレームグリッド設定」の内容に差がなければ*3、配置したフレームグリッドは「グリッドフォーマット」として「レイアウトグリッド」が適用される。但し、レイアウトグリッドはページ毎に設定を変えることが可能*4という認識は重要。


また新規テキストフレームに適用される「基本段落」についても、ある段階で「文字」あるいは「段落」の設定を変更してあると「+」が付いたオーバーライドの状態となる。
「基本段落」については難儀な目にあった経験もあり、「変更しない・使わない」ということを基本原則とすることをお奨めする。


また、「テキストフレーム」と「フレームグリッド」は相互に変換可能だが、フレームグリッドをテキストフレームに変換した場合、まれにグリッドの行送りからアプリケーションが自動的に文字サイズに対する比率を換算し、段落設定メニューの「ジャスティフィケーション/自動行送り」の値を書き換え、「グリッド揃え=なし」としてくれることがある…しかし、その条件は「グリッドフォーマットがレイアウトグリッドあるいはグリッドフォーマットを適用していない野良のフォーマット」であり、かつ「テキストには段落スタイルを適用していないこと」…と何ら現実的な条件ではないので判っていても使えない…というのが実情。


【蛇足】 動画上では検証し忘れたが…「テキストフレーム」を「フレームグリッド」に変換した際の「フレームグリッド設定」は「ドキュメントデフォルト」に依拠する(簡単に検証済み)…当然、ドキュメント上でカスタマイズしていなければ「アプリケーションデフォルト」に拠ることになる。
また、動画上でもあまり言及はしていないが、「レイアウトグリッド設定」や「フレームグリッド設定」で設定可能な項目は少ない…基本的には段落スタイルを設定して適用するのがスジである。

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作業をスムースに進めるためには、「アプリケーションデフォルト」あるいは「ドキュメントデフォルト」のカスタマイズが大きな意味をもつことが、何となくおわかりいただけただろうか?
なお、Adobe“Adobe InDesign/環境設定の指定”というページにも目を通しておかれることをお奨めする(「すべての環境設定とデフォルト設定を元に戻す」という項目あり)。

*1:それぞれの設定項目数は異なるが対象は「レイアウトグリッド設定」の項目のみ

*2:もちろん、「グリッドフォーマット/レイアウトグリッド」をクリックすることで適用できる…

*3:それぞれの設定項目数は異なるが「レイアウトグリッド設定」の項目のみ揃っていればOK

*4:マスターページに限ったことではない!