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比率(%)で文字サイズを変更する際の鉄則

InDesignで文字サイズを変更する場合に、一般的には普通に文字サイズを変更すると思いますが、比率(%)で変更する場合も往々にしてあります。
それが字送り方向の変更だけなら問題無いのですが、行送り方向の文字サイズ(横組みなら天地高さ、縦組みなら横幅)を変更する際に比率(%)を使用するなら、「文字パネル」のサブメニューにある「文字の比率を基準に行の高さを調整」のチェックを「ON」にするのが鉄則です。


例えば、下図のように「文字揃え」とテキストフレームの「行送りの基準位置」やフレームグリッドの「グリッド揃え」が同じ設定(この場合「仮想ボディの上」)なら特に問題はありません。


しかし、「文字揃え」を「仮想ボディの下」に変更すると……


ご覧の通り、右のテキストフレーム内の文字サイズを比率(%)で変更した場合は、「行送りの基準位置」との関係が不正になります(フレームグリッドは大丈夫です)。本来なら左のストレートに文字サイズを変更した例のように、「行中の最大文字サイズの仮想ボディの上」が基準になるハズですね。
これはフレームグリッドでは「文字パネル」のサブメニュー「文字の比率を基準に行の高さを調整」のチェックがデフォルトで「ON」になっているのに対し、テキストフレームでは「OFF」がデフォルトだからです。
「OFF」ということは、「文字の比率を基準に行の高さを調整」しない…つまり比率(%)で拡大する元の文字サイズが基準になってしまいますので、「行送りの基準位置」より上にはみ出してしまいます(「文字揃え」の挙動に関しては問題ありません)。

  • 蛇足を承知で追記しておきますが、もうひとつのチェック項目「グリッドの字間を基準に字送りを調整」は、フレームグリッドを利用して均等ツメを行う際にはチェックが必須です(テキストフレームでは無関係)。


これを正常な状態にするには「文字の比率を基準に行の高さを調整」を「ON」にします。
逆に、フレームグリッドでも「OFF」にすればグリッド揃えが不正になります。


もう一例、各種の揃えが「仮想ボディの下」で統一してあれば問題ありませんが、


その「文字揃え」を「仮想ボディの上」に変更すると、やはり同様な不正が発生し、「行送りの基準位置」より下にはみ出ます(この場合も「文字揃え」の挙動に関しては問題ありません)。


こう見てくると、やはりいつもオススメしているように、各種の揃えは統一しておくのが、コントロールしやすいということになるでしょうね。


同じことを原因として、「文字パネル」のサブメニュー「文字の比率を基準に行の高さを調整」のチェックが「OFF」の場合には、オブジェクトメニューの「オブジェクトサイズの調整/フレームを内容に合わせる」を実行しても 正しい 期待するサイズにならないことや、


表組みなどの自動サイズ調整が 正常 期待通りに働かないこと*1なども考え合わせて、InDesign行送り方向の文字サイズ(横組みなら天地高さ、縦組みなら横幅)を変更する際に比率(%)を使用するなら「文字パネル」の「文字の比率を基準に行の高さを調整」のチェックを「ON」にするのが鉄則! ということになるかと思います。


※以下、2014.06.03追記
もっとも、この特性を逆に利用すれば、テキストフレームの1行目に大きな文字サイズが位置しても横のフレームとの行のズレが問題となることはありません。

*1:少し恥ずかしいのですが…→参照 1, 参照 2…7年前の記事…