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Illustratorの「文字組アキ量設定」の限界

昨晩の@さんのツイートリンク先を見て気付いたことを記しておきます。

  • 左下の日付の部分をクリックしていただくと、関連ツイートと共に表示されます


リンク先の末尾に音引き「ー」と「&」の字間アキについて疑問が呈されていました。
ピンと来たので確認してみたのが、以下の一連の画像です。
リンク先にコメント欄がないこともあって……


まず、プリセットの文字組アキ量設定「行末約物半角」では以下のようになります。


  • 設定通りですね


この「行末約物半角」を元に、以下のようにカスタマイズを加えました。


  • 括弧類の前後と和字の間の最適値を「0%(ベタ=アキなし)」に
  • 和欧文間隔の最小値/最適値とも「0%(ベタ=アキなし)」に


この設定をを適用すると以下のようになります。


  • 行頭禁則文字に分類される音引きと小書きの「つ」には和欧文間隔が残っています
  • 括弧類に対しては仮名も行頭禁則文字も同じ扱いです


この和欧文間隔を変更した際の挙動は、InDesignの文字組みアキ量設定の基本設定画面で設定を変更しても両仮名やその他の和字などにしかその変更が効かないのとよく似ていますが、Illustratorにはこれ以上カスタマイズする方法はなく、ここまでがやっとこさの限界ということになります(InDesignでは詳細設定画面にて対応可能です)。
ですので、当該文字と欧文・英数字とのアキ量として「アキを挿入」で(この場合なら)「ベタ=アキなし」を適用するしか解決策はないでしょうね(間違っても段落全体を「ベタ/ベタ」としないでくださいね…お願いします)。
この挙動は、同じく行頭禁則文字に分類される「〜」も同様だということを付け加えておきます。(2014.10.29追記


  • この場合、後続の「0」にも「アキを挿入(左=前)」で「ベタ=アキなし」を適用する必要があります
  • 蛇足になりますが…「アキを挿入」は「文字組みアキ量設定」の設定値を一時的に置き換えると理解してください(「自動」は「文字組みアキ量設定」の設定値ママということです)


なお、音引きや小書きの仮名を「行頭禁則文字」から除外した禁則処理セット「弱い禁則」を適用しても結果は変わりません(画像はその設定を適用しています)。


(これは以前からわかっていたことですが)文字組みアキ量設定に用いられる文字クラスは禁則処理セットとは別の次元で決められているということになり、個別のカスタマイズは不可能です。このことは少し前に採り上げた「分離禁止文字」も同様ですね。
他にいい例としてはInDesignIllustratorでは「〜」が「文字組みアキ量設定」の文字クラスでは「行頭禁則文字」に分類されているのに、禁則処理セットの「強い禁則」にも登録されていないことが挙げられます。