OSXのフォントパネルを利用するアプリのツメ組み
先日 大阪で4回に亘って開催しされた、web系のデザイナーさんを主な対象にした文字組みの勉強会の参加者さんとのtwitter上のやりとりで、少しわかったことがありますので、書いておきます。
下の画像はOSX標準のテキストエディット(左)とJedit X(右)で普通に入力し、文字サイズと行間隔のみを調整した状態です。
上の3行では目立ちませんが、4行目の「筑紫明朝」では「ディ」の間に(ペア)カーニングが効いているのがわかります。そのように見てみるとアルファベットの「WAV」部分にも(ペア)カーニングが効いています*1。
※“Feature interaction: If kern is activated, palt must also be activated if it exists.”とあるので、一見この仕様は問題があると考えられます*2が、後述の「Proportional Widths」*3と併用ということで問題ありません。→参照 Tag: kern
- 補足:「palt」とあるのはOpenType機能の「プロポーショナルメトリクス」のことです→参照 Tag: palt
このふたつのアプリケーションは共にOSXのフォントパネルを利用しています。
例えば、Jedit Xの書式からフォントを辿ればカーニングという項目があり、これがデフォルトの状態です。
試しに、右のように「使用しない」にすると以下の右の通り(ペア)カーニングは外れます。
このデフォルトの(ペア)カーニングが効いた状態で、フォントパネルを表示し……
左下のフォントパネルアクション(歯車アイコン)から「タイポグラフィ」を選択すると「Text Spacing」の項目は「Proportional Widths」が選択されています*4が、これを「Alternate Proportional Widths」にすると……
上の画像のように「プロポーショナルメトリクス」が適用され、デフォルトの(ペア)カーニングと合わせて、InDesignやIllustratorでメトリクス(自動)カーニングを適用した状態と同様となります。
- (画像では選択状態にはなっていませんが)もちろん、適用したい部分を選択してから適用します。
- フォントパネル初期状態の「Proportional Widths」はプロポーショナル字形だと思うのですが、(結果的には)何故か適用されてはいません。最初に挙げたやりとりをご覧になればわかりますが、適用されるアプリケーション(あるいは書体? 但し、Jedit Xではヒラギノ角ゴもダメでしたが…)もあるようです。→参照 Tag: pwid
※作例は主にJedit Xですが、テキストエディットでも同様の挙動を確認しました。
手持ちのアプリケーションでは「iMovie」も同様な結果となりましたので、OSXのフォントパネルを利用するアプリケーションでは共通の操作が可能なのではないかと考えられますので、必要な方は是非チャレンジしてみてください。
以下追記(2014.11.07)
※私の環境ではJedit Xは16ptあたりを境に、それ以下の文字サイズではカーニングは適用されません。但し、テキストエディットではカーニングが有効で、文字サイズとは無関係です*5。→参照