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DTPアプリ上のU+301CとU+FF5E

話題の小形克宏さん@U+301Cについての記事に便乗して、DTPアプリケーション上でのU+301Cの挙動に関するネタをひとつ+その際に気付いたIllustratorの和欧文間隔の困った仕様について少しだけ*1


InDesignの場合
情報パネルでは「〜(U+FF5E)」は「行頭禁則和字」、「〜(U+301C」は「その他の和字」と表示されますが、「文字組みアキ量設定」 との関係でいえば、ともに「行頭禁則和字」のアキ量と連動しています。
デフォルトのアキ量(25%アキ=四分アキ)を変更したい場合は、「文字組みアキ量設定」の基本設定の変更だけでは(「行頭禁則和字」と「英数字」や「欧文」間のアキ量は)反映されませんので、詳細設定画面で個別に変更する必要があります。


  • 「CIDベースの文字組みを使用=ON」の場合


但し、上記は「環境設定/組版/文字組み互換モード/CIDベースの文字組みを使用=ON」の場合です。「OFF」では以下の画像の通り、U+FF5Eだけが「行頭禁則和字」となり、情報パネルの文字クラス通りの挙動となります。


  • 「CIDベースの文字組みを使用=OFF」の場合
  • U+301Cは仮名と同様の段階で和欧文間隔が0%となります

かといって「CIDベースの文字組みを使用=OFF」を推奨するつもりは毛頭ありませんので、誤解のありませんように…「ON」で使用すべきだと念を押しておきます


Illustratorの場合
Illustrator上ではU+FF5Eは「行頭禁則和字」の文字クラスに分類されており、和欧文間隔のアキ量が挿入されますが、U+301Cの文字クラスは異なります(InDesignでの「CIDベースの文字組みを使用=OFF」の場合と同様ですねも異なり、当初からアキは入っていませんね)。
で、Illustratorの「文字組みアキ量設定」では、「行頭禁則和字」と「英数字」や「欧文」間のアキ量はコントロール不可能です*2ので、アキを設けたくない場合は確実にU+301Cを使用しましょう。


  • Illustratorの「文字組みアキ量設定」で和欧文間隔の最適値を「0%」と設定しても「行頭禁則和字」には適用されません。*3


オマケに気付いたこと
Illustratorの和欧文間隔の所属(?)は、相手がアルファベットか英数字(の前か後)かによって異なることに気付いてしまいました(InDesignでは共に和字の方に…)。
なので文字列の並びによっては困った結果になりますので注意が必要です。

  • つまり…対アルファベットの場合は和字に、対英数字については後の文字に
  • 下線(文字パネルおよびオプションメニュー)が作成される長さ(範囲=文字幅+アキ量)も同じ

*1:普段は文字組みにIllustratorを使うことは殆どありませんので、こういう際に「あれっ、InDesignの挙動と違うなぁ」と気付くことがよくあります

*2:もちろん、手作業で「文字前・後のアキ」を「自動」から「ベタ」にすることで実現できはしますが…

*3:このどうすることもできない機能不足が、例の「ベタ/ベタ」設定をしてしまう原因だと考えられなくもありません。もうそろそろ「長文の日本語組版は苦手です」と白状してしまった方がええのではないでしょうか…>Adobe Illustratorさま