オプティカルカーニングについて:補足
先日、ある掲示板での質問に答え、twitterにも流したことですが……
IllustratorやInDesign、さらにPhoshopの文字パネルのカーニング欄の選択肢にある「オプティカル」は、フォント内部の情報に依存せずアプリケーションが隣合った文字の形状を考えてカーニング量を判断します。
OTF以外のフォントやOTFでも(ペア)カーニングの設定されていないフォントにも有効であることから何かと重宝する機能ではありますが……
※縦組みには無効です
その値は以前の記事「オプティカルカーニングのツメ量と文字サイズ」で記している通り、文字サイズによって異なり、文字サイズが大きくなるほどカーニング量も大きくなる傾向にあります*1。
件の掲示板での質問は、その影響を受けた文字組みについての疑問だったのですが、ここにも判りやすく記しておきます。
まず、以下のような元とする文字組みをカーニングの設定を変えて2種類作成しました。
※作例はIllustrator CS6にて作成(自動カーニング=メトリクスカーニング)
- 共に左右はほぼピッタリ揃えてあります
これを200%拡大しますと……
- 自動(メトリクス)カーニングのカーニング量は文字サイズとは無関係です
- オプティカルカーニングの場合は文字サイズが大きくなったのでカーニング量が大きくなることでバックの色地より短くなり、当然 2行の左右も揃わなくなります
また、50%縮小しますと……
- オプティカルカーニングの場合は文字サイズが小さくなったのでカーニング量が小さくなります…結果、バックの色地よりはみ出すこととなり、2行の左右も揃わなくなります
このような、オプティカルカーニングの特性を頭に入れておかないと思わぬ結果を招くことになりますね。
また、Illustratorでの行頭行末揃えの数行に亘る組版(箱組)には適さないことも理解しておくべきでしょう*2。
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