縦組み中の欧文回転にご注意!
少し前にInDesignの勉強部屋さんのBBSで話題になっていた件で判ったことを私なりにまとめておく。
(環境はMac OSX10.4.10, InDesign CS2_Ver.4.0.5)
※CS3ではこの不具合は解消されているようだ → 参照(091205追記)
最終的に欲しいのは以下のようなモノとする*1。
段落設定の「縦組み中の欧文回転」をオンで作業する場合は以下の通り、かなり煩雑な作業となってしまう。
ここで注目したいのは1行目のTATEでさえ左右のセンターにきていないこと。ペアカーニングの情報が何かワルサをしているのではないかと思うのだが........*2。
なお、3でメトリクスを適用してズレを解消しているが、これは前記BBSのtaopichiさんのレスで教えていただいた。「和文等幅」以外を適用すれば大丈夫とのこと。
このズレが判明して以降、私は「縦組み中の欧文回転」は使用禁止とせざるを得なくなった。
で、正解はこちら。
一見すると同じように見える上のオンの4と下のオフの3だが、重ねてみると
どうも「縦組み中の欧文回転」オンの場合はペアカーニングが甘くなっているようだ。
オマケとして判ったことだが、
合成フォントを使用したテキストで「縦組み中の欧文回転」をオンにすると、和欧文間スペースが0%となってしまう。
左の作例は合成フォントとしてすべてに小塚明朝 Pro Rを設定したモノ。
いずれにせよ「縦組み中の欧文回転」には注意が必要だ。
(以下071117 11:45追記)
上記、オンの4とオフの3を重ねた図の1行目のズレがちょっと気になったのでもう少し検証してみた。
3行目をご覧になれば判るように「縦組み中の欧文回転」オフの場合には途中から天地のセンターには入っていない*3。
細かく見れば、1行目はTとAの後、2行目はTとVの後、3行目はLの後ほとんど*4でズレが発生しているので、ズレ幅が次第に大きくなっている。
つまり、「縦組み中の欧文回転」オフで文字を90度回転させて立てる場合にもペアカーニングの情報が微妙な影響を与えているのが判る。
本当は字送りにバラツキが発生しているのでマズイのだが、こんな用例はまずない。あってもせいぜい5字程度の文字列だから、あまり気にすることではないと思う。
合成フォントを組む必要がなく、和文フォント従属のアルファベットを使用する場合は、半角入力のプロポーショナル字形と全角入力の等幅全角字形に差がないことを確認の上で、立てる文字をあらかじめ全角入力する、あるいは90度回転したモノに等幅全角字形を適用するのも色々な問題に悩まされない有効な方法だ*5。