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合成フォントにPr6N書体の使用はご法度!

ヒマがあったので文字コードに関するあれこれさんのリンク集を眺めていてさっき見つけた資料JIS2004基準のOpenTypeフォントをビルドする方法*1に含まれていたAdobeの文書「JIS2004Encodings3.pdf」の末尾に大変重要なことが書かれていて、少々驚いた。


以下、引用

補遺2(2007年2月16日)
3. 合成フォントにおける望ましくない動作
Adobe InDesign®およびAdobe Illustrator®の現行のバージョン(CS2)には、複雑なCMapファイルの選択を伴う「合成フォント」機能が含まれています。最近の弊社のテストによって、合成フォントのプログラムが、個々の合成フォントの構成要素のJIS2004基準OpenTypeフォントを非JIS2004基準にしてしまうという、望ましくない動作をすることが発見されました。アドビは、これらアプリケーションの将来のリリースで、この制約に対処する予定です。


早速、簡単に検証してみると



上のものをコピーして合成フォントに変更しただけだが......*2
CS3は未だ導入していないので修正されているのかどうか定かではないが、CS2では確かにそうなってしまう。激しく望ましくない


Adobe自身はPr6N書体に関しては未リリースなので無罪(?)もassauseさんのコメントにあるリンク先「Font Folio 11」にはPr6Nが同梱のタイトル通り、ひっそりとリリースされているらしいので同罪だが、モリサワなどはパスポートの3rdアップグレードでPr6Nを喧伝しておきながら、この点に関しては何らの注意書きもない。(見落としならスミマセンですが)
引用元の日付は2007年2月16日、ほぼ1年前には発覚していたことになる。
知らんかったなァ〜。困るなァ〜。CS2にも対処して欲しいなァ〜。


以下、20080112 20:10頃追記
帰宅途中で思いついたことで、現在自宅なので検証は不可能だが、この問題の解決策は簡単なことかもしれないというメモ。

私の場合は、可能な場合「印刷標準字形」をデフォルトにしようと思っているところなのであまり問題はないのだが.....。
もしCS3でも未修正の場合は「段落スタイル」あるいは「文字スタイル」の「詳細文字形式」で、CS3から設定可能になったという「jp04字形」を設定すればいいのだろう(書体はPr6の方が無難かも)。
また、CS2の場合は同じく「詳細文字形式」で「印刷標準字形」を設定すればほぼ大丈夫だろう(ただしこちらは本来の目的が少々異なるので注意が必要)。

いずれも推測の段階で記していることをご留意願いたい。


以下、20080115 10:20頃追記
上記に関連して実験る〜むのassauseさんが「矛盾した警告だなあ」という記事で検証されている。
InDesign CS3は修正済みとのこと。Illustratorに関してはあまり頭になかったのだが(反省)、「合成フォント機能を利用することで異体字処理自体が行えなくなる」とのことで全滅。
続くエントリ「やな推測だな」も興味深い。

*1:【注意】ダウンロードアドレス:自動的にダウンロードされます

*2:「廻」に関しては2004改正前の例示字形は筆押さえの付いたもので、改正によって筆押さえが削除されたのだが、モリサワの廻に関してはCID1398にも13673にも筆押さえは付いていない。このあたりはNAOIさんの「リュウミンのヒゲ(筆押さえ)のロジック」に詳しく解説されている。尚、これを確認するのに字形パレットを見ていた際に何かの拍子に合成フォントの方はCID:と表示される部分にGID:(0)と表示された。今までもそうだったのかどうかは判らない