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表外漢字の正字化_16

そろそろ最後。



  • 左の組み合わせは、表外漢字字体表の関連の異体字で、今まで扱っていない(主にユニコードで入力可能な)モノ。「淵-渕」「嘩-譁」「臥-卧」「峨-峩」「函-凾」など字体差の大きいモノ及び筆押さえに関わるモノは省き、「佪/徊」「胄/冑」「臼/𦥑」「涸/凅」「柿/杮」「羨/蚸」「沃/㓇」など別字とされるモノも挙げていない。また本字とされる「肧/澑/橊/癅」を「胚/溜/榴/瘤」に置換するのも避けた。
  • 「𨳝-閏」および「飱/飧」については、参考にした各辞典ともに右を親字としている。判断は少し迷ったが、前者は置換し後者は置換しないことに(下の画像参照)。
  • 上記の例「飱/飧」のように、『明朝体活字字形一覧』を参照して、「異体字」が「辞典における親字」と比して、同程度以上掲載されている場合には、「辞典における親字」への置換を避けた例は他にもあり、一部は「参考」として挙げたが、面倒なので省いた例もある。
  • 「顳」は先日の番外_02の末尾を参照。
  • 「䦰-鬮/䰗-鬮」は_12に既出(090129追記)。



今回の作業では「表外漢字字体表」の文字を全て打ち込んで、その異体字を確認していったのだが、この過程で気付いた「摯」の異体字
JISでの変更はないが、90JIS基準フォントではCID5020であるのに対し、04JIS基準のフォントではCID20264となっている。



この辺りのことについてはNAOIさんの記事を参照あれ。なお、リュウミンではこれらに字形差がないのは示した通り。
※画像を差し替えた。右端欄にjp90としてあったのは間違い。そもそも私の環境(CS2)では字形メニューから「jp90」は選択できない。


これでほぼリストアップを終えたつもりだが、いつかの記事で書いたこととは異なり、結局のところ、*1明朝体活字字形一覧』を参考に、「いわゆる康煕字典体」を(私なりに)判別/選択する作業となってしまった。
これは作業の過程で、「やはり、いわゆる『拡張旧字体』を選択してしまうということは極力避けたい」と判断したから。


一連の「表外漢字の正字*2」と題する記事について、少々の間違いを見つけたり、上記方針変更(「いわゆる康煕字典体化」)に関連して考えを改めた部分もあるので、今後しばらくの間は、メンテナンス(書き直し)を行う予定(できるだけ変更点は明確にするつもり)。


●扱った表外字(04以前の人名用以外)
欝-鬱/溉-漑/𠦄-卉/䏮-脇/𦚰-脇/荆-荊/𥡴-稽/軣-轟/𨳝-閏/淒-凄/凑-湊/頹-頽/鈬-鐸/迈-邁/辢-辣
𨿸-雞/鶏-鷄/𧮾-谿/渓-溪/澟-凜/𡵸-嶧/鰛-鰮/愠-慍/寉-隺/鶴-鶴/顳-顳/飱/飧/䦰-鬮/䰗-鬮/閙-鬧

*1:主に『新潮日本語漢字辞典』で親字とJIS例示字形が異なるとされるモノ、加えて別体(異体字)とされるモノで、字形の似たモノ/拡張新字体様のモノなどをリストアップし、

*2:実質的には(私なりの)「いわゆる康煕字典体化」だが