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常用漢字の置換テーブル

以前の記事「常用漢字を旧字体にする」および「常用漢字にヒゲを生やす」を実現する常用漢字の置換テーブルを作成した。
(ダウンロードはココより)
いずれもInDesignスクリプト配給所さん(三島梅花藻さんとこ)の「連続文字置換用スクリプト.jsx」用。


常用漢字旧字体にするテーブルはモリサワ系とヒラギノ(筑紫)系のpr5以上の書体用のみで、FOT-筑紫明朝 Pr5 L(上)及びA-OTF リュウミン Pr5 L-KL(下)での置換結果は以下の通り。




文字コード位置の書き換えで置換可能なモノもあるが、実作業上の都合を考慮して、今回は全て字形系のタグで処理するようにしたため、もれなく置換字形の強調表示色で表示されている。
モリサワの「益」のみそうでない理由は以下の画像を参照すればご理解いただけるが、字形系のタグでは変換不可能なので直接文字を別コードのモノに置き換えている。ルビ処理済みの場合はルビが飛んでしまうので注意が必要。



これは「バグではないの?」と思ってしまったが、イワタもそうなので……テーブルのバージョン違いということでAdobeさんのせいかな?。
なお、モリサワリュウミンでは部分字形「非」が交差しないのは既に記した通りだが、「/柄/父」などもCIDは違うモノだが字形差はないようだ。


Pro書体に関しては「aaltテーブル」の相違を検証するのが面倒なので割愛したが、これらのうちPr5以上でないと字形がないのは「蚊/較/響/遷/譜/文/柄」の7文字で、うち「響/遷」は別字形を流用する選択余地もある。


常用漢字にヒゲを生やすだけのテーブルもモリサワ系とヒラギノ(筑紫)系の2種類。


Pro書体用はこちらも割愛したが、ほぼ流用で大丈夫なハズ。但し「蚊/較/済/斎/剤/斉/文」の7文字はPr5以上でないと字形がないので変換されない。
(判っている範囲でいうと、筑紫明朝はProとPr5で「aaltテーブル」に相違があるので、Pro書体では「人名用漢字の旧字」の場合と同様にモリサワのテーブルを流用しないとダメだった=「隻」)
なお、末尾の「愉/癒/諭/輸」の4文字についてはこれをヒゲ付きと呼んでいいのかどうかという疑問は残るのだが……。(090204追記



一番下にイワタ明朝体オールドにモリサワ用のテーブルを適用した結果を掲げているが、デフォルトでヒゲ付きの仕様のために、ご覧のように大変なことになる。主に78JIS字形を呼び出しているのだが、CIDコード及び字形タグはそのままで字形そのもののみを入れ替えたというトンデモ仕様の成せるワザである。
なお、「隻/紋」等のヒゲ付きをデフォルトとしていないことから推測されるように、JISの例示字形の変更の範囲内で入れ替えているだけの何とも情けない仕様である。
「蚊/較/済/斎/剤/斉/文」のヒゲ付き字形はいずれもCIDが20000台なので、「1-4準拠では字形がない=入れ替えられない」とはいうものの、デフォルトでヒゲ付きというなら付けておくのがポリシーといべきであろう*1


次回は、これらを考慮してイワタ用のテーブル(表外/人名用/常用)を用意する。

*1:「文」には付けないというのがイワタの伝統であるなら話は別だが……