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旧字体で気にかかること_02

昭和27年刊行の旧字体を使用した歌集の全文と昭和50年刊行の新字体を使用した歌集の抄を一冊として文庫化する案件があった。新字体の方も旧字体で……という出版社からの意向だった。


27年刊行の歌集は解説部分もということだったが、ここで少し判断に悩むことが発生したのでメモ的に。


●本文(歌部分)は仮名および「瓦/像」などの字形から判断して明らかに築地系の活字であり、解説部は別系統の活字を使用してあるので、字形に微妙な差異があったが、「微」のみ私の置換リストとは別処理とした。
●解説部分は「涙」も含めてほぼ私の置換リスト通りの字形だったのだが、両部分とも「月/秘/双/鴉/吸/糸/晩/瓶/並/意/痴」は新字体が使用されていた。結局、字形差の大きい「秘/双/糸/瓶/並/痴」のみそれに従った。
(出版年にもよるのだろうが、少なくとも「瓶/並/痴」に関しては康煕別掲字ではあるが置換リストから外した方がいいのかもしれない。)
※「挿」の旧字体はCID5006ではなく、CID13892が使用されていたのでそれに従った。




●別の意味で、本文(歌部分)で特に気にかかったのは以下の3字。粗雑ではあるが作字してみた。



ココにはあった。


●使用活字の文字セットの違いによると考えられるのとは別に、例えば解説文で歌を引用している場合に、一方は「灯」で他方は「燈」を使用しているなど、どちらが誤植なのか判断がつかないということがあった。


常用漢字「兆/跳/眺/桃」の置換リストモレが判明。


※現在、別件で10冊ほどの歌集を全歌集として纏める作業が進行中なので、サンプル数も多くなり、もう少し詳しく旧字使用の傾向が分析できるかと思う(勿論、「著者の好みかも」という視点も必要なのだが)。