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禁則調整方式=調整量を優先のすゝめ_再01

予告していたDTP Booster 005の発表で中途半端に終わってしまった「禁則調整方式/調整量を優先」の件。
以前にも同様な「禁則調整方式=調整量を優先のすゝめ」という記事を書いたが、より詳しく展開するつもり*1
(環境: MacOSX, InDesign ver.5.0.4)


禁則調整方式の「調整量を優先」について、各種マニュアル本では、「文字を追い出したときの文字間隔が、文字を追い込んだときに圧縮される文字間隔に比べて極端に広くなる場合に使用する」など、ヘルプをそのまま引き写した解説でしかなく、その機能を充分に理解したうえでの記述とは考え難いものがある。
そういうことではなく、その機能の注目すべき点は「文字組み設定の手引き」にもあるように、「禁則対象文字であるかないかを問わず」という点にある。



で、マニュアル本などを通じて、その誤った理解が蔓延しつつあると考えられる今、私なりの理解の範囲でその有効性/優位点を紹介する。
さらにバグとしか思えない弱点を再現し、原因を追究し、その原因から回避方法を探る。
加えて、上記の回避方法=「カスタマイズされた文字組みアキ量設定」の汎用性について検証してみたい。


全体の流れとして、
●「調整量を優先」の有効性/優位点
●「ぶら下がり/あり」の場合のバグの件/原因
●バグ回避方法としての「文字組みアキ量」の設定
●その設定の有効性/優位点および汎用性もしくは限界……
のようなものになると考えているが……新たな問題が見つかるかも知れない。


で、先ずは
●「調整量を優先」の有効性/優位点
下の組見本の基本的な設定としては

  • コンポーザーは「日本語単数行コンポーザー」
  • 文字組みアキ量設定はデフォルトで用意されている「行末受け約物全角/半角」
  • 揃えは「均等揃え(最終行左/上揃え)」
  • ぶら下がりは「なし」
  • 基本20Qで、3行目の(半端を)部分は18Q



2行目は読点と前カギ括弧で、3行目は(半端を)部分で、それぞれ半角分の半端スペースが発生しているが、追い込み優先でも追い込み処理はされない。
「調整量を優先」では(調整可能なので)半角分が調整されて追い込まれている。


判りやすく上揃えにした画像

  • 1行の文字数が少ないので調整箇所が限られているのに加え、文字組みアキ量設定がダメダメなので不自然ではあるが……、これは後で。


先の文章の(半端を)直前の「と」を改行に変更してみると……



後ろの2行のみに注目していただけば十分だが、3行目には(11+2+2+2+2=)19Hもの半端スペースが発生している。


判りやすく上揃えにした画像


たったの1H(0.25mm)のことではあるが、「調整量を優先」以外は追い込み処理はされない。
「追い込み優先」でも行末/行頭の禁則に無関係なので処理はされないということ。
こういう場合は、追い込んだ方がより自然だと思うのは私だけ?


もう少し補足したいが、長くなるので……続き

*1:前書き的な能書きはアチラが詳しい