モリサワパスポート_秀英初号明朝など
今日（2010/09/04）モリサワパスポート アップグレードキット2010が届いた。
大日本スクリーン製造のヒラギノなどもラインナップに追加され、何かと話題になっているが、今回はやはり気になる秀英初号明朝について……
- 「ん」がやや小ぶりに……
以下は常用漢字内で八屋根・筆押さえの付いた異体字がある文字群（の一部）。
- 画像はクリックで拡大表示されます
- 「オリジナルサイズを表示」でさらに鮮明に
これに字形メニューからJIS78字形*1を適用すると
Adobe-Japan1-5準拠のPr5書体や1-4準拠のPro書体には筆押さえの付いた字形がセットされているが、初号明朝にはない。
Adobe-Japan1-3準拠のStd書体なので我慢せねばならないのは理解しているのだが、ちょっと残念。
字游工房さんの游築見出し明朝体とは違って「Adobe-Japan1-4準拠なりに拡張の予定があるのだろう」と前向きに解釈しておくしかない。
参考までに、游築見出し明朝体（標準字形）は以下の通り。
●関連頁
ヒゲあり字形_補足 とその前後
「デフォルトでヒゲ付き」のfont_各様
もひとつ残念なことは、以下の文字群の（初号明朝の）字形が予想通りではなかったこと。
左（標準字形）はJISの例示字形、右は常用漢字表の字形ということになるのだが、初号明朝以外は異体字を字形パレットから選択/適用可能。しかし、初号明朝はAdobe-Japan1-3準拠ということでやはり無理（異体字が用意されていない）。
この件は、以前に秀英明朝の字形を確認できる頁で確認した際は、初号明朝のみが右の字形になっており、少し安心していたのだが……*2
今日（2010/09/04）、念のため再度アクセスして確認してみると、やはり右の字形になっている……。
オマケ（以前使用した画像）
※各社各様だが……リュウミンの仕様が扱いやすくて好き
ただ、すこし嬉しい発見は秀英明朝のシリーズすべてにおいて、半角入力の丸括弧が全角入力の丸括弧と天地位置を揃えてあること*3。
左（青）は半角入力したモノで、右（赤）は全角入力したモノ*4。
全角入力の方にメトリクスを適用した上で重ねてみると、
数字は送りこそ違うが字形は同一、丸括弧に関しては（初号明朝を除いて）少し膨らみの差が見られるが、天地位置は同じ。
尚、ご存知かと思うが、「全角入力数字」と「半角入力数字」および「等幅半角字形の数字」のデザインはメーカーあるいはファミリーによって微妙な差があり、その辺りをアタマに入れておかないと困った事態を招きかねない。
以下は以前の記事に使用した画像。参考までに
●写研の秀英明朝体については以下を
写植-秀英明朝体の写植文字盤化「開発秘話？」
*1:ほとんどが90JIS変更
*3:これはtwitter上で話題になって調べて偶然発見。他の書体では、ヒラギノUDもそうしているようだし（参照 http://www.cbc-net.com/dots/taro_yumiba/5/）、下町フォント日記の@yutanpon（id:yutanpon）さんもtwitter上で以下のように呟いておられる_https://twitter.com/yutanpon/status/22868292354
*4:括弧前後はアキなし
