なんでやねんDTP・新館

はてなダイアリーから移行しました…

フレームグリッドにおける欧文ベースラインの基準

私の場合、フレームグリッドを使うことが多いのだが、そのグリッド揃えは「仮想ボディ」を基準にしたモノを使用するのが常。
ところが、ふと、フレームグリッドの「グリッド揃え=欧文ベースライン」って、その欧文ベースラインそのものはどうなっているのだろう? という疑問が湧いた。


検証のために、その欧文ベースラインが異なっている書体を使って以下の様な3種類のフレームグリッドを作成した(グリッド揃え=欧文ベースライン)。


【FOT-筑紫明朝 Pr5-R】

  • 欧文ベースライン位置は仮想ボディの下から-120/1000


【FOT-クレー Pro-M】

  • 欧文ベースライン位置は仮想ボディの下から-145/1000


【FOT-グレコ Std-M】

  • 欧文ベースライン位置は仮想ボディの下から-178/1000

設定書体がクレーとグレコの場合は1行目に空行が発生しているが、その原因が1行目のFOT-筑紫明朝 Pr5-Rの欧文ベースライン位置によるのはなんとなく想像がつくだろう(欧文ベースラインより上の部分が設定書体より多く設計されている)
また、それぞれ1行目のFOT-筑紫明朝 Pr5-Rは欧文ベースライン位置の違いにより(フレームグリッドの四角=仮想ボディ相当)やや上に位置しているのがわかる


つぎに、それぞれに「下線設定/オフセット=0mm」でテキストカラーの欧文ベースラインを発生させ、



先日の記事のように)「テキストフレーム設定/ベースラインオプション」の「先頭ベースライン位置」を「固定(0mm)」に変更して、1行目からテキストが入るように修正した。



で、それらを重ねてみた。



これらを3行ピッタリの天地サイズにした場合には、欧文ベースラインより下の部分が設定書体より多く設計されているFOT-グレコ Std-Mはオーバーフローする結果となるのは当然。


  • フレームグリッドの設定に使用した書体により揃えの基準となる欧文ベースラインの位置(仮想ボディと欧文ベースラインの間隔)が違う


これらのグリッド揃えを「仮想ボディ」を基準にしたモノに変更すればオーバーフローが解消するのも当然のこと。


  • フレームグリッドの設定に使用した書体による欧文ベースライン位置の縛りはなくなり、書体ごとに仮想ボディと欧文ベースラインの間隔が違う


これらの結果から推測すると……
「フレームグリッドのベースライン(揃えの基準線)のひとつである“欧文ベースライン”は、その設定に使用されている和文書体に依拠する」ということ。
しかし、一般的な和文フォントの場合、欧文ベースラインは仮想ボディの下から-120/1000の位置と一定しているので、ことさら神経質になる必要はない