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すべての異体字‘aalt’テーブルの相異など

今、常用漢字人名用漢字旧字体にするテーブルを作り直している。
手順は少し前に記事にした表外漢字同様、既にある筑紫明朝用のテーブルに予め修正を加えたものを各書体に適用し、チェック……。


基本的には、‘trad’などの異体字タグ、別位置のユニコード、それでも仕方ないものだけを‘aalt’タグで呼び出すようにしている*1
その過程で気付いたことを纏めておく。

なお、id:NAOIさんの調査によると、N付き書体はヒラギノとその他のほぼ2系統に分類されるとのことなので、N付き書体を使用することも考えたが、秀英明朝Pr5-LにはまだN付き書体がないので、従来通りNなし書体での処理を考えた。
参照

まず、以下は各社のポリシーといってしまえる微細な異なりのあるグループ。


  • 特に変更する必要はないと考えている
  • 但し、デフォルトで髭付きとするために入れ替えてあるイワタ明朝オールドは別


次に、イワタ明朝体オールドに特徴的なグループ。


  • イワタ明朝体オールドはデフォルトで髭付き字形ということで、八屋根や筆押さえを標準で表示するために(主に)JIS78字形の多くを標準字形と入れ替えてあるが、ヰ様の部分字形を有する字種についても同様な処理が行われている
  • 同様にJIS78字形を呼び出している「靴頑嫌考溝拷罪遮逝栓濯棚兆眺跳桃那輩悲扉泡癒隣慧梢翠燿皓翔迪緋麟晟渚琢遼」などは大丈夫
  • 「潜」についてはすこし前に作成したイワタ明朝オールド用の表外漢字の置換テーブル「濳/僣/譛」も修正することにした*2


そして、少し厄介な‘aalt’テーブルに相異があるために文字化けを起こすと考えられるグループ。


  • 備考欄は編集中……念のため
  • すべての異体字タグ‘aalt’で目的の字形を呼び出している


これらの中から、特徴的な例をいくつか挙げておく。



暗 ["aalt",1]


イワタや秀英/リュウミンについては、より多くの同音(訓)同義の類いを‘aalt’テーブルに採用しているためリストアップされる字数が違う(それにより並び順が変わってしまう)。
以下に一例を掲げておくが、このような例は他にも多くある(上の一覧で一見「なんで?」と思われる大きな異なりのあるモノの多くがこれにあたる)。



幾 ["aalt",1]



喫 ["aalt",1]


が、そうとばかりは限らず……以下のような例もある。



益 ["aalt",1]


次はちょっと難解だったケース。



音 ["aalt",7]


イワタが化けた原因は当初判らなかったが、ものかのさんから提供していただいたツールを利用して‘aalt’テーブルを確認してみると……
以下のように、書き込み順が異なっているのが判った。


  • 画像はイワタ明朝体(オールドではなく)になっているが……乞寛恕


つまり、InDesignの字形パネルに表示される(CID順)字形を参考に‘aalt’に付加する数値を決めていたのだが、‘aalt’テーブルに書き込まれているのは必ずしもCID順ではない例もあり、その書き込み順に依拠するということ。


同様な例は他にもある……



券 ["aalt",2]


これはなにもイワタオールドに特有のことではなく、以下の例のように秀英やリュウミンでも起こり得る。



注 ["aalt",6]


  • 画像については前出同様、イワタ明朝体(オールドではなく)になっているが……


次はヒラギノ特有の例。



割 ["aalt",1]


このような例は他にもある……参照


以下はかなりややこしい……



双 ["aalt",3]

  • 秀英/リュウミンは「﨎」を入れず
  • 秀英はPr5のためリュウミンからは1字不足
  • イワタは入れ替えてあるうえに書き込み順が異なる


以上、だーれの役にも立たないと思われるが……自分用のメモ書き代わりに記しておく。

*1:IVSが脚光を浴びつつあるのは判っているが……

*2:ちょっと勘違いしていた(僣/譛について目的の字形がない…と)