なんでやねんDTP・新館

はてなダイアリーから移行しました…

「段落スタイル」と「文字スタイル」の胆

「段落スタイル」「文字スタイル」の使い分けが判らないという声を聞く。
また、これらのスタイルを使っていないという方もおられるという話も耳に入る。
なんで? こんな便利な機能を使わないということがそもそも考えられない。
きっと、難しく考えすぎて、とっつきにくいと匙を投げてしまうのではないかと思う。


以下に、私の基本的な方法をごく簡単な例を挙げて説明しておく。
どなたかの参考になれば幸い(作例はCS6)。


一般的には、まず版面設計に基づいてレイアウトグリッドを設定する。
テキストフレームの場合でも、スタイルに関する基本的な考え方は同様。



ここに以下のようなテキストを流し込むと……

本文13級・段落1字下げ・丸パーレン内12級/あああああああああああああああああああああああああああああああああ(ああああ)あああああ
●箇条書き部分は1行目突き出し1字・天地ママ/ああああああああああああああああああああああああああああああああ(ああああ)あああああ
引用部は1字下げ・1字上げ・段落1字下げ・前後1行アキ/ああああああああああああああああああああああああああああ(ああああ)あああああ
人名 対談部は人名(2字)後1字アキ・天地ママ・2行目以降は天2字アキ・人名は〇〇ゴシックR/あああああああああ(ああああ)あああああ


  • レイアウトグリッドで設定(指定)した書体・文字サイズなど以外は、アプリケーションデフォルトに従って流し込まれる(もちろん、ある程度はカスタマイズしてある=書類を開かない状態で設定)
  • このようにレイアウトグリッドで指定できるのはごく一部でしかないという認識は重要


これを大まかに今回の基本的な本文体裁に合わせて必要な部分(段落パネルおよび文字パネル)を整え、とりあえず段落スタイルを作成して保存する(01_honbun_元)。


  • 基本的には段落パネルおよび文字パネルの各メニューを設定・変更した後、カーソルを置いた状態で段落スタイルに新規登録という流れ(登録画面で特に指定することはないが、変更はもちろん可能)
  • 慣れてくれば直接段落スタイル登録画面で変更していってもいいし、もちろん、後で変更することも可能なので、「とりあえず」という設定でも大丈夫


この「後で変更可能」というのが重要なところで、段落スタイルの一部の体裁を変更するだけで、そのスタイルが適用された部分の一括変更が可能であるということ(文字スタイルも同様)。


次に段落の中で部分的に変更しなければならないモノを特定し、文字スタイルとして登録しておく。
ここでは、2種類を登録した(これも変更した後、選択状態で文字スタイルに新規登録すればイイ)。


  • 丸パーレン内12級の指定用(12Q)


  • 対談部の人名〇〇ゴシックRの指定用(G_B)*1


ここで肝腎なのは、文字スタイルには必要なスタイル項目だけを設定するということ(流用できる)。

  • この例では「12Q」の文字スタイルは書体に関係なく適用できるし、「G_B」の文字スタイルは文字サイズに関係なく適用できる
  • ここでは必要な1項目のみ設定したが、色の変更など追加は随意にできる


先の「丸パーレン内12級の指定用」の文字スタイル(12Q)を「正規表現スタイル」*2に組み込み本文用の段落スタイルを作成する(01_honbun)。


  • 後に11Qにしたいとか、書体も変更したいということになっても、この「12Q」の設定を変更するだけで大丈夫*3
  • 「丸パーレン内12級」という指定はすべてに共通なので、以降は本文用スタイル(01_honbun)を元にする


続いて、今作成した本文用の段落スタイル(01_honbun)に変更を加え、必要数のバリエーションを作成する。

  • それぞれのスタイルで変更する部分以外を基準の「01_honbun」上で変更すると、それに応じて以下で作成するスタイルの当該部分の体裁も変更される。それを避けたいなら、この時点で「基準=段落スタイルなし」としておく必要がある(近日中に、別記事にて)


  • 突き出しインデントを設定し、アキ量設定を字下げなしのモノに


  • 上下のインデント(字下げ・字上げ)および段落前後のアキを設定


  • 突き出しインデントを設定し、アキ量設定を字下げなしのモノに
  • 人名ゴシック用の文字スタイル(G_B)を「先頭文字スタイル」*4に組み込み
  • 「R」が目についたので「縦組み中の欧文回転」を追加*5



全体像は……



ごくごく簡単な体裁の例で申し訳ないが、こんなところで……
……………
要するに、基本的な段落の体裁を元に基準となる「段落スタイル」を作成し、段落の体裁に関わるバリエーションはそこからさらに段落スタイルを派生させる。
段落の体裁ではなく、特定の部分だけに関わる体裁の変更は「文字スタイル」を作成し適用する。
その変更しなければならない部分の出現パターンによっては、「文字スタイル」を「段落スタイル」の中の正規表現スタイル」や「先頭文字スタイル」に組み込むことによって自動的に適用することが可能となる。


当ブログ内リンク
先頭文字スタイルのすゝめ
……………
ついでなので、関連する twitterでの呟きを転載しておく……内容は同じようなことの繰り返し。



*1:都合によりBに変更した

*2:CS4以降

*3:スタイル名の変更は随意に

*4:CS2以降

*5:これはほんの気まぐれな設定:案の定、和欧文間隔が有効になってしまうので、方針によっては全角入力にするかもしれない……