Illustratorでの箱組にオプティカルカーニングは不適
今、大阪DTPの勉強部屋の【隔週金曜勉強会】で「組版教室」というのを回数未定でやらせて頂いていますが、その本番の際に気付いたIllustratorのオプティカルカーニングの不可解な挙動について纏めておきます。
まず、下はInDesignのベタの状態。
これにオプティカルカーニングを適用すると……
- 「年」と「年」の間は「+10/1000em」のカーニングがかかるので追い出されますが、これは特に問題ありません。オプティカルカーニングはそういうモノです。
ご覧のとおり、対行頭と対行末にはカーニングはかからないので、行頭・行末のすべての文字が仮想ボディのセンターで揃っています。
これがオプティカルカーニングのあるべき姿だと思っていました(対行頭・行末に関しては少し残念ですけれども…仕様ですね…w…)。
で当日、そういうことをIllustratorの画面で説明しようとしたのですが……
- Illustratorで同様にオプティカルカーニングを適用しました
行頭は問題無いとして、行末は不揃いとなってしまいます。
この不可解な挙動の原因は何処にあるのでしょうか?
(当日は「何でやろ? わかりません…各自で考えてみてください」とお茶を濁しましたが…)
上のような文字列で考えるとぼんやりとその原因は見えてきますね……つまり、次の文字との(アプリケーションが判断する)カーニング数値が悪影響を及ぼしているとみて間違いはないでしょう。
※行末のズレは、(面倒ですが…)次の行頭にカーソルを入れて「カーニング」欄に「0」を入力すれば回避できます。(この部分2014.12.04追記)
従って、残念ながら 「Illustratorで行頭行末揃えの箱組をする際には、オプティカルカーニングの使用は避けた方が無難」という結論になってしまいます。OTF以外の書体にも効果があるので、何かと重宝する機能ではあるのですが……