メトリクスには「プロポーショナルメトリクス」の併用が必須
この記事と次の記事は理解しづらいようなのでメトリクスには「プロポーショナルメトリクス」の併用が必須_再にまとめて書き替えました。リンク先を参照ください。
8/27のDTP Booster 005のハンドアウトを準備していて気付いたこと。
(環境: MacOSX, InDesign ver.5.0.4)
メトリクスカーニングは「OpenType機能→プロポーショナルメトリクス」に隣り合う文字毎のペアカーニング情報を加味して字間が調整されるとされている。
上の例では2行目と3行目に差はない。
「ジ」と「オ」の字間ツメが甘いのでキャレットを置いてカーニング「−70」に設定した。
「メトリクス」のみの場合には「ジ」の前が開いてしまうのが作業中にも画面で確認できたが、「OpenType機能→プロポーショナルメトリクス」を併用している場合には問題がない。
パネルでは「ジ」と「オ」の間は共に「−70」と表示されているが明らかに差がある。
下の画像のフレームと「ジ」とのアキを確認していただければよく判ると思うが、要するに、カーニングを手動で調整した場合、「メトリクス」のみではキャレット直前の文字(ジ)の(前後の)プロポーショナル情報が破棄されてしまうということのようである。
一般的には文字パネルなどでカーニングの「メトリクス」を選択さえすれば大丈夫ということになっているようだが、さらに字間を微調整したい場合は、「OpenType機能→プロポーショナルメトリクス」を併用することが必須であるということ。
以下、090820 09:40頃追記
今、チョット気になって確認してみたが、この挙動はIllustratorの文字ツメカーニング「自動」でも同様である。
なお、両アプリ共にペアカーニングの情報は維持されるようだ(プロポーショナル情報は破棄されるためツメは当然甘くなる)。
※キーボードショートカットでツメた場合にはペアカーニング情報は維持される。
上はIllustrator CS3での例だが、プロポーショナルメトリクスを併用すると、プロポーショナル情報は生きたまま手動での調整が加味されるが、ペアカーニング情報の加味された部分(「ヴィ」)を手動で調整すると、ペアカーニング情報は破棄される。
*1
(以下、赤字部分20110827追記)
※まとめると……
InDesignのメトリクスカーニング・Illustratorの自動カーニング共に、「OpenType機能→プロポーショナルメトリクス」を併用するべきである。
併用しない場合は、(もう少しツメたい場合など)キャレットを立てて手ヅメをプラスしたつもりでも、キャレット直前の文字のプロポーショナル情報は(前後とも)破棄されツメが解除された状態となり、手ヅメでのカーニングしか残らない。
なお、その場合にもキャレット直前の文字とその前の文字とのペアカーニング情報は維持される。
ペアカーニング情報に関しては、ペアカーニングの設定してある(括弧書きで数値が表示されている)部分にキャレットを入れて数値入力(あるいは数値選択)した場合にはペアカーニング情報は破棄されるが、「option+←」などキーボードショートカットで手詰めを施すと、ペアカーニング情報にプラスする形でツメルことができる(もちろんこの場合もプロポーショナル情報は破棄される)。
これらのややこしい挙動は「OpenType機能→プロポーショナルメトリクス」を併用することですべて解決できる。
●関連頁:
遠近法ノートさんの
「文字ツメ」と「オプティカルカーニング」について。
ここ(及びコメント欄)で言及されていることが上に書いたことそのものだったりする*2。