なんでやねんDTP・新館

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「写植の時代」展のことなど…

大阪DTPの勉強部屋のサイトに「写植の時代」展の告知がされた。


チラシのpdf → ちらし-MC6.pdf 直 ※アイコンクリックがベター
※印刷して配布など、ご自由にお使いください。


主宰者のえむさん@が精力的に準備に動き回っておられるが、私も元は写植オペレーター……イッチョカミをして、微力ながらお手伝いをさせてもらっている。
その関係で、ツィッター上でも最近は写植に関連した呟きが多くなっていた。


以下、最近の私のツィートを中心に(twitter上で多用する三点リーダーが表示されないが……)。

  • 末尾の「URL」クリックで画像表示あるいはpdfリンク、アイコン右下の日付クリックでtwitterの保存(details)画面を表示
          • -

●12/6 えむさんから取材同行の打診あり

●12/7 当日●12/8

  • チラシ案のpdfを見て……(現状のモノではありません)。

●12/9●12/12●12/14

  • チラシを流した。

  • 多くの方がリツィートしてくださった。

  • 原字というより字母といった方がイイかもしれない。

  • 後に写研からもクーパーブラックは発売されたが、転向当時の話。

●12/15

  • 普通のモノよりも横長扁平(と感じた)の珍しいメインプレートもあった。書体は「淡古」「太楷書」「隷書」などと記され、印鑑屋さんが使っていたモノを引き継いだといっておられた。

●12/20

●12/22

  • 以下、同書からの引用。

  • 「前掲著」は「前掲書」の誤植。

  • 以上、主に頁物の本文組みについての記述。

字母のサイズ、実字面のサイズなど……】
●12/15

●12/16

●12/19●12/23 その後「非線形」に関連する(であろう)部分を見付けた


※並行して山本さんに以下のようなDMを送っていた……

D ragged_right いつもお世話になります。以前の写植の文字サイズの件…「線形」「非線形」というのはmentionを付加して呟いたことでしょうか? 「線形」という言葉が十分理解できておらず申し訳ありません。割り付け計算の「仮想ボディ」の項に書かれておりましたので、辿り着くのに苦労しました。

  • 関連した山本さんのリプライ

  • 私のリプライ

※上記の件:ツィートした通り、(非線形だということの)実感は写研のPAVO-KYを操作していた頃の体験としてはあるが、それを証明する資料は手元にはない。(これもツィートした通り)メーカー名の記載もなく曖昧なので、この記述が正しいものであるかどうかという判断は保留せざるを得ない(巻末に参考文献の表記はある)

また、別件では以下のようなツィートもしていた……
●12/15

これに関しては確かな筋からの協力情報を得てほぼ解明……会場で販売されるパンフレットにスペースがあればコラム程度の報告を書くことになると思う(上記ツィートで小出しにしていることなどもちゃんとしたテキストにするつもり)。


ともあれ、まだ時間はあるので準備万端怠りなく……盛会を祈るばかり。


●以下、2011.12.27追記、28都合により微修正
上記の実字面に関して写研の関係者に問い合わせていたところ、今朝FAXでお返事をいただいた。


級数毎に仮想ボディ寸法と標準字面寸法を表にしたモノで、その資料を換算すると、標準字面の比率は(抜粋)……
8級の場合:1.79/2.00=0.895
10級の場合:2.24/2.50=0.896
16級の場合:3.58/4.00=0.895
28級の場合:6.26/7.00=0.8942857
32級の場合:7.17/8.00=0.89625
38級の場合:8.55/9.50=0.9
50級の場合:11.31/12.50=0.9048
62級の場合:14.08/15.50=0.908387
80級の場合:18.20/20.00=0.91
100級の場合:22.79/25.00=0.9116
となっており、上の引用部分であげられている数値とほぼ一致する*1
※28級までは仮想ボディ1mmに対して字面寸法を0.894mmとして計算したモノと(ほぼ)同一となっていることも表記されている。


なお、途中経過の報告と電話口で仰られ、この数値を何を元に設定したのかは引き続き調査をしていただいていることと思う。
何か判ればまた報告する。


●以下、2011.12.28追記
字面が比例関係になっていない経緯についての調査結果もご連絡いただいた(あくまでも、個人的に関係者に聞いた結果として……とのこと)。
以下、文意を変えない程度に書き替えて転記しておく。

(昭和38年に制定されたようです)
1. 当時は、見出し用書体もなく写植書体も少ないため、本文用書体を拡大して使用していた。このため大サイズでは文字が弱々しく見えたので、これを解決するため大サイズでは仮想ボディに対して字面を大きめに補正する必要があった。
2. 大サイズ活字は太い書体で作られるだけでなく、大サイズ活字になる程(字面も)大きくなっていた。
3. 写植では文字だけでなく、作図的図形(組み数字、数式、化学式など)も使用され、これら図形が多用される小サイズでは字面の比率を揃えることが不可欠であった。


1.〜3.の理由で32級を境に倍率を異ならせる方式とした。


その後、昭和62年には写植機がイメージセッターとなり、文字印字だけでなくCADデータなどの図形も出力し、印字する文字種も図形・マークとして扱われることが多くなった。そのため文字の印字サイズに比例関係が必要となり、100級を超える字面サイズは比例関係とした。

  • なお、モリサワの方にも関係者を通じて同様の質問をしておいた。結局、その手の情報は保有しているが、残念ながら非公開ということだった。

*1:最大が250級なので電算写植のモノだと思われるが、手動機もこの数値を元にレンズを調整するということだったこの資料は手動機のモノとのこと。ズームレンズを使用して250級まで印字可能な機種があったようです。…提供者からの情報により訂正