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段落(文字)スタイルの親子関係の挙動

ここでは、(直前記事の予告通り)段落スタイルの一般/基準の項目を利用したスタイルの親子関係の挙動をごく簡単に確認しておきたい(作例はCS6。段落スタイルを例に採るが、文字スタイルも基本的な考え方は同様)。

復習しておくと、まず基本的な段落の体裁を元に基準となる「段落スタイル」を作成し、段落の体裁に関わるバリエーションはそこからさらに段落スタイルを派生させる……という手順がある。

先日の作例では、まず「01_honbun」という段落スタイルを作成し、それを基準に3種類のバリエーションを派生させた。


それぞれ段落スタイルの編集画面の「一般」では……


  • 「基準=01_honbun」と表示され、下のスタイル設定ウインドウには「01_honbun」から変更した部分が表示されている


その基準とした「01_honbun」は……


  • 「01_honbun_元」というのを基準に正規表現スタイルを追加したモノであるが、今は気にしなくて結構


ここで段落スタイル「01_honbun」(1段落目)を変更した場合、それを基準とする他の段落スタイルにどのような影響が出るか、設定の変更が画面にリアルタイムで反映するプレビューモードで確認してみる。



書体は当初「秀英明朝Pr5-L」……



「新ゴPr6-EL」に変更すると……当然、他も変更される。

  • 画像では設定パネルに隠れて見えないが、もちろん、丸括弧内も変更されている(文字サイズは12Q)
  • 書体に関わる文字スタイル「G_B」部分は当然ママ



インデントを変更しても、それぞれ既に変更されているので影響は及ばない(01_honbun=1段落目)。



文字組みアキ量設定(元は段落冒頭1字下げの設定を適用)を変更すると、未だ変更されていない3段落目のみに影響する(01_honbun=1段落目)。


ここで一旦段落スタイルの編集(変更)をキャンセルして変更前に戻り、派生させた三つの段落スタイルの「一般/基準」部分を「段落スタイルなし」に(親子関係を切断)。


(一例)

  • 下のスタイル設定ウインドウから「01_honbun」は姿を消し、すべての設定が表示されている


この状態で、先程と同様に段落スタイル「01_honbun」に変更を加えても、なんら影響が及ばないのは当然の結果(01_honbun=1段落目)。



以上、ご覧の通り、おおまかな挙動は確認・把握できたと思う。
……………
要するに、親(基準)としたスタイルから派生する際に変更した部分には、その後の親の体裁変更は影響しないが、(変更せず)ママ流用した部分については、(当然のように)そのまま影響を与える……ということ。
また、このように派生して作成した段落スタイルでも、段落スタイル設定の「一般/基準」部分を「段落スタイルなし」とすれば、その関係を絶ち、独立したスタイルとできる。

例えば、「01_honbun」には何ら変更を加えないとしても、2枚目の画像の説明で「今は気にしなくて結構」とした「01_honbun」のさらに親、「01_honbun_元」の文字サイズや文字カラーなどに変更を加えると、どのような結果になるかは容易に想像がつくと思う。

この基準となるスタイルの変更がその子孫たちに影響を与える挙動自体は便利でもあるのだが、あまりにその関係の層が深くなってくると、ある部分の何気ない変更が、思わぬ部分に悪影響を及ぼしかねない。
スタイルの親戚関係は容易に把握できる関係迄だけにとどめ、「基準」部分を「段落スタイルなし」として、その関係を断ち切る勇気も必要である。
私の場合はある程度体裁が固まった時点で、大抵「段落スタイルなし」とする。