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環境設定で注意すべき項目(組版の視点から)

これも先日の勉強会での話ですが、ある方が「トラッキング」を使用して字間を調整するのを常としており、頻繁に「環境設定_単位と増減値_カーニング/字送り」の設定値を変更していると言われました。うーーーん。


  • キャプチャ、作例などすべて InDesign CS6 のモノです(以下同様)

設定値は「トラッキング」も「カーニング」と共通なので変更する部分は正しいのですが、その都度変更するのも面倒なので、「小さめの数値に設定しておいてキーボードショートカットを連打する方が手っ取り早いでしょうね」……さらに、トラッキングを適用するためには数文字を選択しなければならないので、「カーソル移動で片付けられるカーニングの方がいいのでは?」などと助言しました*1


その時にやや驚いたのが、頻繁に「環境設定」を変更しておられるという事実でした。人それぞれだからいいとは思いますが、その「環境設定」には変更することで文字組みが大きく変化する設定項目もありますので、念のためにここでご紹介しておきましょう。


下の図版は私が常に使用している設定と、その文字組み結果です。
※上部の「高度なテキスト_文字設定」はデフォルトのママです(文字組みアキ量設定は敢えて「行末約物半角」を使用)。



これを少し変更してみますと……



ご覧のように、文字組みの体裁というか結果がかなり変化するのがわかります。気付きにくいですが、深刻なのは「CIDベースの文字組みを使用」ですね。


当然、これらの設定は作業中に変更することも可能ですので、変更するならその挙動の差異を理解して変更すべき項目でしょう。
また、ドキュメント毎の「環境設定」に依存し「段落スタイル」などでは設定出来ない項目なので、互いに異なった「環境設定」をもつドキュメント間でコピー&ペーストを実行した場合も、上に掲げた図版同様の変化は当然起こり得ます。自分の環境設定は常に一定に保っていたとしても、外部からのデータを流用する際などには特に注意が必要です。
※図版に例示はしていませんが、「テキストの回り込み」も含めて、図版中の項目はすべてに注意が必要だと考えていただいていいでしょう。

*1:もちろん大阪弁で…