ルビかけ処理のなんでやねん
InDesignCS2で組んだある仕事で「従って」にルビをつけることがあった。
「モノルビ」で揃えは「1-2-1(JIS)ルール」、「ルビが親文字より長い時の調整/文字かけ処理」で一般的な「ルビ1文字分」を選択していたのだが、ご覧の通り拗促音にはかからなかった。
で、もちろんサポートに電話してみると、「JIS X 4051に則って、行頭禁則和字にはかからない仕様です」とのこと。釈然としない割り切れなさは残るものの、その時は「文字かけ処理」で「無制限」を選択して切り抜けたのだったが........。
時間が出来て検証してみると、たしかに音引きも含め後ろの「行頭禁則和字」にはかかってはくれないが、前にある「行頭禁則和字」には何故かかかる。(あまり用例はないかな?)
「JIS X 4051」なるものを入手していなかったので、「ふーん、こんなものかな?」と思うしかなかったのだが.........。
3カ月ほど前だったか*1、思いきって日本規格協会のホームページだったかで問題の「JIS X 4051」を注文した。
A4判で目次を除いて206頁、定価:本体6,700円(税別)、けっして安いとはいえない買い物だった。
46頁に「表4 文字クラス」があり、(3)に「行頭禁則和字」、(16)に「熟語ルビ以外のルビ付き親文字群中の文字」、(17)に「熟語ルビ付き親文字群中の文字」が分類され、47頁に「表5 空き量」というのが掲載されている。
確かに表5をみると、前の文字が(3)で後ろの文字が(16)(17)の欄には「ルビかけ」と記載されていて、その逆の前の文字が(16)(17)で後ろの文字が(3)の欄は空白となっている。(引用は自粛)
これを読み取る限りにおいてはInDesignCS2の挙動は「JIS X 4051に則って」いるといえる。
しかし、
本文18頁には「4.12_4.12.3_a モノルビの処理」の3)に「親文字列長がルビ文字列長未満の場合」、「詳細は表5による。」としながらも、
3.1)として
親文字群の前の文字が空き,平仮名,分離禁止文字又は和字間隔のいずれかの場合,ルビ文字を最大でルビ文字の文字サイズまで前の文字にかけて配置する。
3.2)として
親文字群の後ろの文字が空き,平仮名,終わり括弧類,句点類,分離禁止文字又は和字間隔のいずれかの場合,ルビ文字を最大でルビ文字の文字サイズまで後ろの文字にかけて配置する。
と記されていて、どこにも「行頭禁則和字」は出てこない*2。InDesignCS2は「表5」だけを参考にしたのだろうか?