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オバカな組版例_05

今回の例も「宝庫」の朝日新聞(091203朝刊)の全面広告より。



当初は図の赤線部分に目がいった。小数点は中黒を使うべきであり、「%」も統一すべきである。
で、基本的にプロポーショナル組みなのだが、青線部分のバラつきが気になった。


それを再現しようと試みたのが下図。



少々のズレはあるが、ほぼこんなモノだろう(数字の書体はこの際どうでもいい)。


で、どうしてあるかというと、全体にメトリクスカーニングを適用し*1、「文字組みアキ量設定」はデフォルトの「行末約物半角」を元に「約物半角固定」を作成して適用した上に、2行目はマイナスのトラッキング50で無理矢理ツメてあり、何故か4〜8行目は強制改行を入れてある。
その結果、プロポーショナル組みのハズが、ベタ換算でほぼ12.5字分の天地に対し、6・7行目は12字しか入っていない(下図の下が何もしない状態なので「良い。」だけが孤立するのを避けたのだということは十分考えられるが……、逆効果)*2



半角固定としたことで自動的に句読点と他の文字との最大値が0%となってしまっているのに、仮名と仮名などその他の部分の最大値が100%となっているので、5・6・8行目などでは調整量が句読点の後ろには配分されずその他の部分に配分されるためにこのように不細工なことになる。
強制改行せずとも、句読点を1字含んで13字しか入っていない行については明らかに漢字間にも行長調整のためのアキが発生しており、結果的にプロポーショナル組みとはとても言えない代物となってしまっている(例:後ろから4・5行目)。
こんなことをするのなら、句読点後ろの最大値を変更するなど「文字組みアキ量設定」をさらにカスタマイズする必要があるということ。


下はデフォルトの「行末約物半角」を適用した状態。もっとカスタマイズ・微調整した方がいいが、句読点の役割が顕著なコチラの方が私には読みやすい。



※禁則調整方式はすべて「追い込み優先」とし、「日本語単数行コンポーザー」使用。

*1:もちろんOpenType機能のプロポーショナルメトリクスもON

*2:この天地字詰めでプロポーショナル組みを選択するのも苦しいといえば苦しいかも