ルビの二重化_もうひとつの原因
昨日の記事の件、もう少し検証してみた。
先の記事ではWordから読み込んだルビ付き文書が原因かのような書き方になってしまったが、原因は別にあった。
これは以前、「ルビの親文字の字形変更」と題した記事の中で取り上げた「ルビの二重化」と同じ現象で、あの時は親文字の字形を変更したことに原因があったのだが……。
簡単に再現してみる。
左のようなテキストをルールに従って右のように修正・調整する。
この段階では「ルビの二重化」は発生していないが
一度保存して、再度開いてみると……
つまり、「文字前後のアキ量」を変更することでも「ルビの二重化」が発生し、実害があったということになる。
※昨日の記事の例で言えば「小塚原」の「塚」の後ろのアキ量を四分に変更し、「薩埵峠」の「薩」の字形を変更していることが原因*1。
尚、先の記事では「文字スタイル」を利用して字形を変更すると「二重化」が解消するような記述をしてあるが、今回の例では解消しなかったことも記しておかなければならない。
回避策はない……直してくれよ……。
(以下追記_100518 18:00頃)
ここ数日のルビ関係の記事に関して言うと、ルビかけ対象文字から「行頭禁則和字」を外していることに関して、Adobeさんは「『日本語文書の組版方法(JIS X 4051:2004)』に準拠して……」というクセに、3字ルビ及び4字ルビ(行頭/行末を含め)の処理に関しては『日本語文書の組版方法(JIS X 4051:2004)』に準拠しているとは言い難い。ならば組版者に余計な処理を強いるこれらの挙動、これらはいわば「バグ」ではないのか?
昨年の夏上京した折りに、「AdobeのInDesignの日本語文字組版チームは縮小(解散?)された」との噂も耳にした。こんな現状で「日本語文字組版に関しては完成した」と思ってもらっては困る。当ブログでは他にも色々な不具合を報告しているつもりではあるが……「バグ」を修正しないで新しい機能ばかりを追求されてもあまり、いや全然、嬉しいことではない。
(以下追記_100519 10:20頃)
「回避策はない」と書いてしまったが、アキが原因の場合はルビ入力を本当の意味での「モノルビ」として親文字1字ずつを選択して実行すると大丈夫ではあるだろう。
しかし、作業効率から考えると頭が痛い……というのが実状。
が、コメント欄に三島梅花藻さんが提供してくださったスクリプトを実行することで見事に解決する。
試させていただいたが、「二重化」した部分も実行後は問題なく本当の意味での「モノルビ」となり、もちろん「二重化」も解消する。
(以下、青字部分100528追記)
なお、スクリプトそのものは三島梅花藻さんのInDesignスクリプト配給所からもダウンロード出来るようになっている。ここには他にも私好みの有用なスクリプトがあるので、是非覗いてみることをオススメする。
三島梅花藻さん、感謝いたします。本当にありがとうございました。
(以下、100625追記_蛇足)
Adobeさんのカスタマーサポートポータルで問い合わせた(20100618)ところ、回答をいただいた(20100623)。
既知の不具合で、AdobeさんのTechNoteのアドレスが案内されているが*2、あの方法では「異体字によるルビの2重化」は解消するかもしれないが*3、「文字の前後アキ量によるルビの2重化」は解消しない*4。いずれにしてもスクリプトを走らせる方が手っ取り早い。
尚、CS4では両方のケースとも問題は解消されているのを確認した。