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Illustrator_縦組み変形時の文字前後のアキ量にバグ

前回の記事の末尾に書いたバグとは別に、少し前にtwitter上に流れていたある方の呟きから、Illustrator上で縦組み/字送り方向に変形をかけた場合に、文字前後のアキ量の計算にバグがあることを知ってしまったので、検証。


Adobe Illustrator CS4 で以下の文字組みを用意した(CS2及びCS3でも確認)。



  • 青部分はトラッキングで文字の後ろにアキを発生させ、赤部分は文字後ろのアキの機能を利用して同様なアキを挿入した


これらは当然ピッタリ同じ字送りとなるハズだが、タテ組で文字送り方向に変形をかけた場合(右:作例は80%)は、ズレが発生する。



これは変形前の文字サイズをベースに文字後ろのアキが計算された結果のバグであることは、以下の作例で容易に判断できる。


  • 緑部分は字間にスペースを挿入し、スペースの変形率を上の数値に変更した(●ベタ部分は80%ママ)


例では扁平に変形しているが、縦長に変形しても同様で、変形前の文字サイズがベースとなるようだ。
尚、横組ではこんなことにならないし、気になる「文字組みアキ量設定」でのアキ量にも影響はないようだ。


(以下、20100710追記
上記バグの件、Adobeさんのカスタマーサポートポータルに投稿しておいた(2010/07/07)が、回答(2010/07/10)は以下(一部、改行位置変更)

ブログを拝見させていただきました。
文字前のアキとも文字後のアキともに文字の垂直比率が反映されないことを確認しました。
ちなみにInDesign CS5では期待通りに同じになりました。
こちらの現象をIllustratorの不具合と考えます。
Illustrator の開発チームへはInDesignと同等の動作を目標に開発するよう報告します。
蛇足ながらIllustratorの文字組みプログラムとInDesignのものは完全に同じではありません。
両ソフトを同じにすることは日本アドビから開発へ毎回リクエストしておりますが、実現に至っておりません。
引き続き活動していきたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。

ということで、なんらかの形でバグフィックスされることと思う。