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「分離禁止文字」の挙動…その2_InDesign編

2) InDesign上での「分離禁止文字」


今回は、InDesignの場合……(作例はCS6)



上の作例のような文字列を作成し、現状は行頭揃えですが、行頭行末揃え(両端揃え)にして2字分のアキを調整しなければならない状況にあえてしてみます(デフォルトで禁則処理セットの「分離禁止文字」に登録されていないU+2015と大返しもあえて例に挙げています)。



その結果(上)はご覧の通り、デフォルトで「分離禁止文字」に登録されていないU+2015と大返しも含めて、行長調整のアキは挿入されておらず、他の部分で調整されているのがわかります。



これは、(上のように)段落パネルメニューの「分離禁止処理=OFF」にしてもなんら変わりません。


つまり、「行長調整によるアキを挿入してはならない文字種」は禁則処理セットの「分離禁止文字」とは無関係のところで決定されているということだと考えられます。


そうであるならば、あの「分離禁止文字」に登録されている文字はどういう挙動をするのか?
また、段落パネルメニューの「分離禁止処理」のON/OFFは何を制御するのか? という疑問が湧いてきます。



段落パネルメニューの「分離禁止処理=OFF」の状態で、上のような文字列のフレームサイズを変更してみます*1



当然ですが、特に禁則処理がかかってはいませんね。
ここで、「分離禁止処理=ON」としてみますと……



ご覧の通り、デフォルトで「分離禁止文字」に登録されている文字種だけが「分割禁止処理」されて追い出されていますが、U+2015と大返しは特に処理されていません。


禁則処理セットをカスタマイズしてみます。


初回の記事に記したように、大返しの後部分は「行頭禁則文字」に、前部分は「行末禁則文字」に登録することで(結果的に)「分割禁止」とできますし、U+2015は「分離禁止文字」に登録することで「分割禁止」とできます。


ここまで見てきたことで判ったことは……InDesignでは、「行長調整によるアキを挿入してはならない文字種」という意味での「分離禁止文字」は禁則処理セットの「分離禁止文字」に登録されているかどうかは特に関係なく、アプリケーションが独自にその文字種を決定しているのだろうということ。
ならば登録されている文字はどういう挙動をするのかといえば、「分割禁止文字」として振る舞うだけだということです(段落パネルメニューの「分離禁止処理」はそのON/OFFということですね)。

この部分、少し誤解していました。「分離禁止文字」に登録した文字が連続すると分割禁止かつ分離禁止となります。例えば罫線素片の「U+2500」を登録するのも有効です。(20170923追記)


「分離禁止文字」の挙動…連載頁へのリンク
その1_基本編
その3_Illustrator編

*1:ここから「強い禁則」を「弱い禁則」に変更しました。理由は「強い禁則」の「行頭禁則文字」にU+2014が登録されているため、処理結果の解説が煩雑になります。それを避けるためです。