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学参書体_ご参考までに

twitter上で話題になっていた学参書体について、各社の3種類についてベースになった一般書体との比較を3頁のpdf(フォント埋込)にしておきましたので、ご興味のある方はダウンロードしてご覧ください。

  • 一覧の内訳は、ひらがな、カタカナ、常用漢字(1,945字)、および常用漢字と共通な部品をもつ表外字の一例

※もちろん自由に拡大して細部まで比較可能なハズです。


ダウンロード → 学参_一般比較.pdf 直

  • ファイルネームよりもアイコンをクリックした方が幸せになれるハズ


3種類とはイワタ【I-OTF明朝Pro-B/I-OTF-G明朝Pro-B】、モリサワ【A-OTF リュウミン Pr6-B-KL/G-OTF リュウミン Pro-B-KL】、フォントワークス【FOT-スーラ Pro-M/FOT-学参丸ゴ Pro-M】で、こんな感じ……



下部の2行には、表外字との字体差を例示してあるのだが、ココでの説明用に少々組み替えたモノが以下。



上はイワタの明朝Pro-B、下はモリサワリュウミンPro-Bの例であるが、ご覧の通り両例共に(常用漢字表外字については変更は施されていないし、イワタにおいては教育漢字(1,006字)の範囲に限られることは「充/依/哀/喪/褒/醸/曇/糾/遮」などを下のモリサワの例と比較していただくと判ると思う。
参照 イワタ学参書体の特長
尚、上のイワタの例では表外字の「襞」に変更が加えられているのが見える。意図は判らないがデザイン修正といったところだろうか?


参書体を一般の広告やカタログなどに使用することの是非にはココでは触れないでおくが、こうしたことを充分頭に叩き込んでからご使用いただかないと大量の作字作業が発生してしまうという悲劇(喜劇)を招くこととなるだろう。そうした事実は以前にご紹介した大熊肇さんのご著書『文字の組み方―組版/見てわかる新常識』(2010, 誠文堂新光社)の105頁にも記載されている。


蛇足になるが、【FOT-スーラ Pro-M/FOT-学参丸ゴ Pro-M】の例を見ると、漢字において縦方向のサイズにも明かな変更が加えられているのが見える。
仮想ボディに対して下方向だけへの拡大……というのが微妙に気になる。



さらに蛇足になるが……
当初イワタの中ゴシックでの比較を試みたのだが、どうもベースは起筆部に特長をもたせたオールドではなく、現在表立っては入手不可能な(イワタLETSでも提供されていない、以前の)中ゴシック体のようなので、断念した。



この部分についての関連頁
「イワタ中(中太)ゴシック体新がな」と「イワタLETS」


参考画像追加


  • 日常よくみる女のひとたち_赤く見えるのは学参書体での変更処理。上:イワタ明朝(教育漢字内のみ変更)、下:リュウミン常用漢字内のみ変更)

リュウミンの学参書体を使用して「娑婆」という言葉が出て来ると困ったことになる……