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「デフォルトでヒゲ付き」のfont_各様

先のヒゲ付き字形に関連して。


一般的な書体では下の状態が標準字形(=90JIS字形、例はFOT-筑紫明朝 Pr5 R)であるが、


  • 以下、末尾の「上記以外」部分の補足
  • 1行目は90JISにて変更(但し「靱」は2行目に入るべきモノ)
  • 2行目はJIS X 0213:04変更(04JIS)にて筆押さえが削除されたモノ
  • 3行目は04JIS変更の部分字形「曽/酋」関連
  • 04JIS変更の「詮」がヌケている


Pr5以上のfontでは字形タグを利用したり、字形パネルから選択することで以下のようにすべてヒゲ付き字形に置換可能
(例では自家製の置換テーブルを利用した。もちろん一部はPr5未満でも置換可能)



一方、「デフォルトでヒゲ付き」となっている書体にはイワタの「I-OTF明朝オールドPro R/M/B」*1の他に、フォントワークス「FOT-筑紫A見出ミン Std」*2字游工房「游築見出し明朝体 OTF E」などが知られており、新しく「FOT-筑紫オールド明朝 Pro R」*3がそれに加わった。


以下にデフォルト字形(黒字)と(要)置換後の字形(赤字及び黄色地)を示す*4青字はヒゲ付き字形が実装されていないモノ。

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まぁそれぞれにクセがあるが、ここで注目したいのは「I-OTF明朝オールド」(右)と「FOT-筑紫オールド明朝」(左)におけるその実装方法の違い。



イワタ(右)は字形を入れ替えることで実現し、フォントワークス(左)は字形そのものをヒゲ付きとすることで対処している。
→ 以前の記事で使用した画像
どちらかというと(というより絶対に)フォントワークスの方が扱いやすいハズ。
FOT-筑紫オールド明朝は文字デザインのディテールも好感がもてるモノなのだが、Pr5でないのが玉に瑕。


なお、間もなくモリサワからリリース予定*5の「秀英明朝体」はデフォルトではヒゲ無しのようだ。 → 参照(文字を入力して確認可能)。


●以下、いままで書き散らかしてきた「ヒゲ」関連記事へのリンク
イワタ明朝体のなんでやねん
JIS例示字形変更と字形セット_09
ヒゲあり字形の一括置換(呼び出し)
ヒゲあり字形_補足
ヒゲあり字形_補足02
ヒゲあり字形_まとめ
常用漢字にヒゲを生やす
人名用漢字を旧字体にする+ヒゲを生やす

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人名用漢字の置換テーブル
常用漢字の置換テーブル
写研_ヒゲ無しモード切替対象文字一覧
※置換テーブルの対象字種・置換後字形及び使用方法は、時期により微妙に異なる。

*1:E/Hは別書体と考えた方がベター

*2:A/Bは仮名の違い

*3:未だRのみ。ファミリー展開されるのだろう

*4:「癒諭輸」及び「全」に関する置換の是非はここでは不問

*5:アップグレードキットが到着したという報告があちこちにあるが、ウットコには未だ着かない_091113現在_あまり事務所を出る機会がないので気付かなかったが、「ゆうメール」で届いていた。経費節減? バインダー用の穴もあいてないし……(これは2008もそうだったかも?)、そういえば更新したライセンス証明書にも穴はない。