旧字体の部分字形の統一、例えば「牙」
常用漢字・人名用漢字以外の漢字について旧字体を選定するに際し、部分字形をある程度統一したいのだが、難儀している。
例えば、部分字形に「牙」を持つ字。
「芽/雅/邪」は常用漢字、「冴」は人名用漢字。
「牙/穿/訝/鴉」は表外漢字字体表=印刷標準字体に合わせて04JISで変更され、さらに「牙」は人名用漢字に追加。
なぜデザイン差とされる「牙」部の四画か五画かの違いを印刷標準字体で四画に統一して、04JISで例示字形を変更してしまったのかはさておき、ならば旧字体としては四画に統一してしまおうと思うのが自然のなりゆき。
でも、「呀」は何故か78JIS字形から「牙」部が四画(五画の異字体もあり)なのに対して、より出現頻度が高いと思われる「谺(こだま)」について、「牙」部を四画にしたいと思っても、Adobe-Japan1-6の文字セットでも無理。末尾の2文字(岈/枒)も同様*1。
以下は『明朝体活字字形一覧』の該当部分。「牙」以外は五画が圧倒的に優勢、特に「芽」などは(「いわゆる康煕字典体」として)「牙」部を四画とする判断でいいとは到底思えないのだが……悩ましい。
なお、前回の引用文(画像)中でid:NAOIさんが指摘されている『字統』と同じ著者の『常用字解』*2『人名字解』*3では「牙」部四角を旧字形としている*4。
部分字形に「舛/韋」を持つ字も、同じように難儀している。
言ってしまえば、とても統一なんかできるワケがない。
下は「舛」の一例。
※以下080909追記
以下は『漢字源』*5の【字形】の説明部分。参考までに。