「いわゆる康煕字典体」についての資料
いま取り組んでいる、旧字体=「いわゆる康煕字典体」に変換するテーブル作成に際して、その置換後の字体(字形)選定および(印刷標準字体との)部分字形の統一*1のようなことで壁にぶち当たっている。
それにも関連する(以前にも少し触れた)印刷標準字体と『明朝体活字字形一覧』*2の優勢な字体との相違に関して、『漢字問題と文字コード』*3の中のid:NAOIさんの「表外漢字字体表試案の読み方試論」という論考を読み返していて、私にとっては重要な記述を見つけたので公開しておく(ご本人の了解済み)。
※論文タイトルに〜表外漢字字体表試案〜とあるように「第21期国語審議会試案」に基づいた記述であることを勘案してお読みください。
例えば、
註34の末尾に「笈」についての記述がある。「第21期国語審議会試案」では215文字が挙げられ「笈」は入っていなかったが、「第22期国語審議会答申」では「笈」も加えて1,022字となっている。その字体もNAOIさんの予想通り「及」部分は四角である(2004JIS変更)。
同じく「試案は『いわゆる康煕字典体』には一つの字体しか認めていない。」とあるが、「本答申」では「表外漢字における字体の違いとデザインの違い」の項に「笈」も例示され、デザイン差として許容されている。
当該書籍184-186頁に掲載。上・下は連続した文章だが、関連する「註」部分(同200-202頁)を本文の該当位置に移動した(いずれもクリックで別窓に拡大表示)。
なお、『漢字問題と文字コード』の執筆時点では、『明朝体活字字形一覧』は「このほど完成し、文化庁から刊行されようとしている。」と府川氏の部分(67頁)で触れられている*4。
※以下、080830追記
『明朝体活字字形一覧』の「笈」部分は以下の通り、参考までに。
また経緯については、文部科学省のHPにある「表外漢字字体表作成の概要」も参考になる。
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●以下、20180714追記