文庫判(A6判)縦組み【均等ツメ】と【プロポーショナル組み】見本
先日のpdf作成の元データを加工し、【均等ツメ】の見本と【プロポーショナル組み】の見本を作成しましたので、公開しておきます。
●【均等ツメ】見本
honbun-kintou-A6_M-v1.pdf ← アイコンをクリックするのがベター
●【プロポーショナル組み】見本
honbun-proportional-A6_M-v1.pdf ← アイコンをクリックするのがベター
先日のデータを元に、版面はほぼ同様なママで文字サイズと行送りを変更したモノです。
文字サイズは、12.5Qにするか105%の12.6Qにするか、いっそのこと13Qにするか……と少し悩みましがた、アメリカンポイントの9p相当ということで12.65Qに落ち着きました。
設定は以下のようなものです。
- 読者層や全体の文字数(つまり頁数)の関係から「均等ツメ」を採用せざるを得ない場合もあるにはあります*1が、個人的には好みではありません。
- それは、書体設計をされる方は初期段階で使用用途(媒体・内容)などをある程度想定して、基本的な骨格から字面率や漢字と仮名の大きさのバランスなどを熟慮して設計されているのでしょうから…。
- 但し、「どうしてもこの書体で組みたいけれど、全体的に小ぶりで(意図に反して)字間のパラつきが気になる」というような場合には「均等ツメ」も効果的ではあります。
- InDesignのフレームグリッドを使用して「均等ツメ」を実現しています。テキストフレームで同様に組む場合、字送り量は文字サイズの約94.86%(トラッキングに換算すると「−52/1000em」程度)となりますが、(組版演算が苦手で)正確なテキストフレームサイズを算出できないのであれば採用すべきではありません。
※上の【均等ツメ】見本はルビの設定を少し間違えていますがご勘弁ください*2
- 基本的には「メトリクスカーニング」を適用しただけです(今回の作例ではOpenType機能の「プロポーショナルメトリクス」を併用する意味はあまりありませんが、手動で調整を加えたりする場合は必須です)。
- このような本文組みで「プロポーショナル組み」を採用することには、個人的には賛成しません。何といっても「読み辛く、内容が頭にすんなりとは入ってこない」というのが大きな理由ですが、それぞれの読書体験などによる個人差があるかも知れません*3。
- 今回適用した設定はすべての約物を一律に半角扱いにすることは避け、文字種によっては最小値/最適値にもある程度のアキを確保してあります。約物すべてを半角扱いにすれば、もっと読み辛いモノになるのは必至でしょう。
先日の記事に追加した注記を再掲しておきます。
※ルビは「センター付き(中付き)モノルビ基本…」としていますが、一般に文芸書では「肩付きルビ」とすることが多いようですので、その辺りはご自身の判断で……
■今回使用した「文字組みアキ量設定」のダウンロード先を以下に記しておきます。
旧リョービ書体用のツメ組み用設定
- +DESIGNING 2014年5月号(vol.36)紹介ページ(末尾に当該ZIPファイルダウンロードへのリンクがあります)
- +DESIGNING 2014年11月号(vol.38)掲載の「InDesign & Illustrator ベタ用&ツメ用文字組み設定」ダウンロード専用ページ
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- +DESIGNING 2016年9月号(vol.42)掲載時に改訂したバージョンのダウンロード専用ページ