表外漢字の正字化_まとめ(結)
さて、昨日の検証を踏まえて作成し直した置換テーブルの適用前後のInDesign画面(リュウミンの「兆」が置換後も突き出ていないのは「いわゆるポリシー」)。
鬼っ子・イワタについてはややこしいで、後日……(のつもり)。
次にProとPr5の差異を確認するために上のフォントをそれぞれAdobe-Japan1-4準拠のProフォントに変えてみると、あるものはロックされまたあるものは置換が解除された。
jp04か何かのタグ付けがされるためだろうが、当該字形を実装しているにもかかわらずロックされているモノもある。ここでは気にしないが、実作業で途中でフォントを変更する場合は注意が必要。
置換前の字形が実装されていない「滛/㷀」は気にせず、印刷標準字形を呼び出している部分の代替え可能なモノを書き換え、置換前の状態からそれを適用し直したのが以下。
今回作成した一連の設定ファイルと説明テキスト(漢字リスト付)をココに置いてあるので、興味のある方は自己責任でどうぞご利用あれ*1。
なお、お解りかと思うが一連の処理では基本的に(JIS X0213_04での変更は無視して)筆押さえは残してあることにご注意*2。
以下、ダウンロードされた方にちょっと説明。
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※明日(20100216)以降ダウンロードされる設定ファイルでは以下の処理は不要
ユニコードで置換可能な262字についてはテキストファイル上で
●「CharConvX_登録用.txt」からコピー&ペーストにて
CharConvXに2分割してユーザー定義変換に(適当な名前を付して)登録して置換処理
(検索/置換の文字数が違うと大変なことになるので要注意。登録後、置換処理結果の確認を!)
●「表外漢字サロゲートペア部分置換.txt」を
JeditXの「複数一括置換」に読み込んで置換処理
が必要。
※ココまで。すべてInDesign上での処理に統合した。
その他の203+3字について全ての置換処理は「連続文字置換用スクリプト.jsx」を利用してInDesign上で置換するしかないが、aaltの系統が少なくとも2種類あること、またフォントのAdobe-Japan1への準拠レベルによって置換テーブルを使い分ける必要がある。
※aaltの系統は私が検証した範囲ではモリサワ(イワタ)系とヒラギノ・筑紫・小塚系に分けられるが、ファミリーが同一でもAdobe-Japan1への準拠レベルによって変わることが昨日紹介したのNAOIさんのpdfに報告されている。また鬼っ子・イワタは同レベルのファミリー内でもさらに検証が必要なのは既報の通り。とにかく、ご利用にあたってはまずは検証が不可欠ということ。
モリサワ系は
Pr5以上●表外置換_HW01_moPr5.txt
Pr5未満●表外置換_HW01_moPro.txt
ヒラギノ系は
Pr5以上●表外置換_HW01_hiPr5.txt
Pr5未満●表外置換_HW01_hiPro.txt
(「竈/蠅」に関してはテキスト段階で拡張新字体様からの置換、83入れ替えへ対応は処理済のハズ。)
で、上記の各置換テーブルを適用すれば大丈夫と思うが、ご利用はもちろん自己責任で。(Stdは無視している、悪しからず)
尚、Pr5とProの差分は以下の通り*3。
●印刷標準字形部分_代替え
遁 遁 エキスパート字形
厩 厩 エキスパート字形
恢 恢 エキスパート字形
訝 訝 JIS78字形
笈 笈 エキスパート字形
甑 甑 なし ["aalt",2]
簾 簾 エキスパート字形
※「訝」のJIS78字形は少々問題あり、お好みでママも可
※リュウミン場合、「隙」はjp90-jp04間に字形差はない
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●後記
「表外漢字の正字化_01」をアップしたのが081031だから、仕事の合間をみてのこととはいえ、まるまる三ヵ月。ずいぶん長くかかったことになる(あぁ、シンドカッタ)。気になる部分(文字)はまだまだあるのだが、表外漢字についてはこれでとりあえず一段落としたい(今後、字種を追加あるいは字形を変更することも十分考えられる*4が、なるべくこのブログ上でご報告するつもり)。
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