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表外漢字の正字化_15

少し間があいたが、さらに続ける。



  • 「簔-簑」は共に「蓑」(印刷標準字体_04人名追加)の異体字
  • 「𨗉-邃」は『新潮日本語漢字辞典』では下のCID14172を親字として挙げているが、『明朝体活字字形一覧』を参照して判断した。
  • 「襁/繈」は『明朝体活字字形一覧』を参照しても微妙だが、「いわゆる康煕字典体」としては置換するべきだと判断した。『一覧』画像の左端が康煕字典体。尚、「繈/繦」はユニコードで書き分け可能。
  • 「赳」は人名用漢字としての正字はCID14222のようだが、『明朝体活字字形一覧』を参照しても微妙。各社の扱いも下に挙げたように差異があって……、下に続く6文字と共に置換の必要はないと判断した。



  • 「逡」は参考にした三種の辞典のすべてがリュウミンの字形を親字として挙げているが……。
  • 「裘」は90JISで変更されたママの現在に至っているモノだが、上に例示した通り、筑紫明朝体では字形に差はないがリュウミンでは区別されている。ただし、JIS90の変更とは微妙に違う。ヒラギノも差はなく、唯一小塚だけがJIS90の変更と同じ。『明朝体活字字形一覧』を参照してもとくに置換の必要は感じられないが、『漢字源』はリュウミンのCID13595と同じ、『新字源』『新潮日本語漢字辞典』ではリュウミンのCID13595「求」の縦角が撥ねた字形で、いずれも「求」の最終角ははらってある。


ここで気が付いたのだが、同じPr5準拠のフォントでも、字形パレットに表示される字数が違うこと、具体的にはリュウミンとイワタのCID14222はU+8D73「赳」に関連づけられているのに対し、筑紫をはじめその他はU+FA23「﨣」に関連づけられていることによって、フォントを変更するとロックされてしまうこと(わりと重要。後日検証できるか?)。このような例はきっと他にもあるのだろうが……。



●部分字形_巨
部分字形に「巨」を有するモノは以下のように多くあるが、異字体が実装されているのは左の5文字のみ。




●扱った表外字(04以前の人名用以外)
羮-羹/臈-蟖/腟-膣/䑛-舐/𦫿-艾/簔-簑/𨗉-邃/襁/繈-繦
赳/謚/諡/䟦/跋/鄷/酆/灎/灩/抅/鈎/鉤/逡/裘
苣/奆/岠/紓/怇/柜/腧/渠/炬/煚/磲/秬/粔/耟/蕖/蚷/詎/鉅/鮔