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旧字体の利用について_02

※コレを含め「旧字体の利用について」と題する三つは080713の日付で「仕切り直します_置換テーブルなど」と記したように再検討中です。080818の「常用漢字を旧字体にする」以降の「〜を旧字体にする」「〜にヒゲを生やす」と題する記事をご覧ください。常用/人名用/表外漢字字体表内/表外漢字字体表外で分割する予定です。
(080819 追記

残る411字について検討していくことにする。

この時点で、「磯」があるのに「機」がないのが不思議になり「新字源」で調べると旧字が掲載されているではないか! さらに「幾」も! しかし表外字にあたるであろう「嘰璣穖蟣譏鐖饑魕」は人部分が突き抜けている(旧字と同じ)モノしか掲載されていない(だろう)が、フォントとしては突き抜けていないモノしかない。このあたりをどう判断して処理すべきなのか?


表外漢字字体表で挙げられている「三部首」は勿論、たとえば部分字形として羽半巨内単危告包青肖化尭周歯刃忍唐冊麻黄黒鼻主牙蚤戸非区尺勺負争音卆戻券巻兼などを持つものを入力してみないことには……ということにならないか?
あるいは常用・人名用漢字をすべて入力して……ということにならないか?


と思ったりもしたが、しかし、これではドツボに……。気を取り直して、気付いた範囲でという程度で進めることにして、とりあえず「幾・機・筑・築」を追加することにしたので、411+4字。

【残った411+4字一覧】


先のpdfを参考に置換した後の字形が以下*1。(画像クリックで別窓に拡大表示)



このなかで気になるモノを、「新字源」(第315版,角川書店,1991)を参照して整理すると(あくまでも一部、すべてあたったわけではないので悪しからず)。


俗字・本字から正字(?)への置換は「置換イキ」とした(鈎/鉤・凛/凜・抬/擡・虱/蝨・苺/莓など)が、旧字への置換でない以下はリストから削除する(いずれも元の字形が親字で旧字は記載無しあるいは別の字形)。

「碍・粥・却・脚・姉・唇・稚・葱・粘・熙」は、置換後の字形は本字。
「回」は、置換後の字形は古字。
「拐・鶴・携・窓・裏・函」は、置換後の字形は俗字*2
「酢・跡・妊・冉」は、置換後の字形は別体字。
(「晰・鵞」は、置換後の字形が親字で元の字形は別体字。)
「曳」は、置換後の字形は誤字。
「床」は、「もと牀(置換後の字形)の俗字」とあるが別字扱い。
「着」は、「もと著(置換後の字形)の俗字」とあるが別字扱い。
「籤」と「鬮」は別字扱い。
「栃・俣」は「国字」とあり、置換後の字形は記載無し(拡張旧字体?)。
「閏・於・奇・潤・親・羨・舛・普」は、置換後の字形は記載無し(俗字? 拡張旧字体?)。
「荊」も置換後の字形は記載無し(よく似た本字アリ)

          • -

「模」は旧字として草冠部分4画の字形で、置換後の字形は別字扱い。(リストから削除)
「躰」は元の字形が「体」の俗字で、置換後の字形は記載なし。(「体」の旧字に変更)
「舘」は元の字形が「館」の俗字で、置換後の字形は記載なし。(「館」の旧字に変更)


扱いの難しい以下は
「唹・悗・枴」は元の文字そのものが記載無し。(結局、リストから削除)
「隙」は、親字は90字形と同じで、置換後の78字形は俗字。(結局、記載のない印刷標準字体を採用)
「潔」は、「契・喫」同の部分字形をもつ旧字記載アリ、置換後の字形は記載無し。(結局、このママ採用)
「熔」は元の字形が「鎔」の俗字。(結局、印刷標準字体ということで元の字形ママとしてリストから削除)
「覇・翻」はこちらの字形を採用。
以下は少々疑問あるも採用
「専」は、置換後の字形は俗字で、旧字は別字形。
「遷・邦・麸」は、置換後の字形は「新字源」の旧字とは少々違うが……。


「弁」「蘆と芦」「枡と桝」「凛と凜」「熙と煕」などについてはまだ扱いを思案中。


次回は、前回の結果と今回の結果をまとめて置換テーブルを提示する。

*1:「冴・刃・双・捜・餅」など一部については、参照させていただいたpdfとは違う字形を選定した。これも「新字源」を参考に

*2:080708 14:55「函」追加